歯科医院の電子カルテをどう考えるか?

歯科医院経営ブログ

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こんにちは!

歯科医院地域一番実践会の萩原直樹です。

本日は歯科医院の電子化に関してお話をしていきます。

電子カルテは実際にどうなのか?

電子カルテの導入について悩んでらっしゃる歯科医院が増えてきていると思います。

カルテを電子化状態にするので非常に便利に感じるかもしれません。

まずは電子保存大原則をご存知でしょうか?

厚生労働省がHPに掲載していますが、従来は紙媒体による管理が義務付けられていましたが、厚生労働省が通知した「診療録等の電子媒体による保存について」によって規制緩和されています。これによって電子保存が可能になりました。

https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000166270.pdf

しかしその中でも電子保存の三原則と呼ばれる

「真正性」

「見読性」

「保存性」

が要件として求められます。

「真正性」とは…

まずは「真正性」ですが、第三者が見た時に誰が作成をしたのか明確であり、正当な人が記録する必要があります。「担当以外の人が基本的には入力しないとだめですよ」ということですね。また「間違った上での書き換えや消去などもないようにしてください」と言われています。

電子カルテの場合は保険点数の変更・消去が簡単にできてしまうのが問題にはなります。

手書きだと筆跡なども残っていたのがデータではわかりません。

誰かが間違えて消したとして正直把握できないので対策案も検討しないといけません。

また、それぞれの歯科医師や歯科衛生士がしっかりと入力をすることができればよいですが、カルテの入れ方やどのように運用していくかは事前に決めていかないといけません。

皆さんの医院ではカルテを入力するルールや各項目の算定内容などは把握していますか?

この辺りは勉強会をしっかりとして正しい処置に対して、正しい算定が必要になってきます。

「見読性」とは…

データの内容がパット見てすぐに読めること、印刷することを指します。

電子カルテは手書きとは異なり、データが壊れない限りは読めるので問題はないかと思います。

問題は次の保存性です。

「保存性」とは…

保存性はこの中でも非常に重要です。データが壊れてしまうと何もできなくなってしまいます。

そういう意味では天災などには気をつけないといけません。

私が以前ご相談を受けた歯科医院はなんと大雨で歯科医院が川に浸かり流されてしまいました。

紙のカルテは濡れながらもなんとか確認することはできましたが、院内サーバーにある電子カルテであれば全てのデータは失われていたかもしれません。こうなってしまうと復元不可能になってしまうので、クラウドなどの場所に保管する対策が必要になります。

クラウド型電子カルテシステムであれば訪問歯科診療でも利用は可能なので大変便利だとは思います。

メリットは何か?

管理がかなり楽になるということ。

これに尽きます。

今後間違いなく歯科では電子化が進んでいきます。

多くの紙媒体がデータに変わり患者様への情報提供も変わってくるでしょう。

カルテがなくなった、誰かがみていて場所がわからない、みたいなこともなくなってくるでしょう。

来ていない患者様のカルテを整理することも簡単です。

効率性を考えるのであれば電子カルテの導入は良いと思います。

ただし問題も…

電子カルテにして非常に効率は良くはなりますが、再度院内で電子カルテの運用環境をつくらないといけません。

まずはWifi環境です。

院内にwifiは飛んでいるとは思いますが、電子化をするにあたって十分なwifi環境でしょうか。

既存のシステムのまま稼働すると一気に遅くなってしまったり、固まることもあります。

急いでカルテを打ち込んで患者様をお見送りしたいのにカルテが固まりなかなか進まないという事例も発生しています。

次に患者様とのコミュニケーション内容をどこに書くかです。

患者様と話をした内容は今までコミュニケーションシートなどに手書きで簡単に書いていましたが、タブレットなどになれていない方は書くのも一苦労になります。また電子で情報を残している場合は手書きよりも文章量が少なくなる傾向になりますので情報量が減るということは起きるでしょう。

最後に設備が必要です。

電子カルテにしたために全チェアにiPadなどのタブレットを設置する必要があります。

歯科においてはアップル製品も多く使用されておりますので、既存で使用している環境(windowsなど)との互換性も事前に確認をしておく必要があります。

また利用時は専用のICカードが必要であったり、担当者の名前を毎回入れないといけないという工数が発生したりはするでしょう。

間違いなく電子化は進んでいくものの、一気に切り替えるのが少々厄介なこともあります。

ただし中途半端に紙と電子を両方使うということもややこしくなります。

電子カルテを導入する前には事前に医院にて実際のオペレーションを想定してみて、スタッフ全員で検討しながら実践するといいでしょう。

特に効率性の反対には手間をかける大切さやオリジナリティ(患者様情報の濃さ)が存在します。

これらがなくならないようにしながらもいかに効率的にするかが電子カルテ導入の大きなポイントとなるでしょう。

今後の電子化に向けてぜひレセコン会社様ともご検討してみてください。

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