歯科医院の新人スタッフが育つ環境づくりのポイント②

歯科医院の新人スタッフが育つ環境づくりのポイント② スタッフ教育

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こんにちは!経営戦略研究所、コンサルタントの渡邊健二です。
今回は、前回に引き続き新人スタッフが育つ環境をつくる
3つのポイントについて、マネジメントの話を中心に説明していきます。

ところでゴールデンウィーク中は、4月に入った新人スタッフにとって
働いてから初めてのお休みでした。この1ヵ月に起きたことを友達と共有し、
「自分たちが置かれた環境がどうなのか?」ということを
ゆっくりと確認する時期でもあったと思います。

まだ経験が浅い新人さんは、“今の自分の置かれている環境”しか知りません。
「頑張れば報われる!」ということを伝えても良くわからないというのが現状だと思います。

何を言いたいのかというと、練習を一生懸命、夜遅くまで頑張ってくれていたスタッフであっても、
今までの人生で長く一緒に時を過ごしてきた親や友人から
「大変そうだねぇ。そんなに大変なら・・・」といった話をされているかもしれません。

その時にそのスタッフは「でも・・・〇〇だから頑張れるよ!」
そう言えたのでしょうか?

信頼していた人から、「そんなに無理しなくてもいいんじゃない?」
そう言われた時に、その言葉を跳ね返すことが出来ていますでしょうか?
それは大変難しいことだと、私は思います。

この〇〇に入る言葉は、本人の頑張りだけでは埋めることは出来ません。
医院が組織として“育つ環境づくり”をすることで初めて埋めることが出来ると思います。

「ここで働いていれば自分は成長出来ると思う」
「皆いい人だから仕事に行くのが楽しみ」
「先輩に相談出来るので何とか頑張れそう」
「周りの同期の存在があるから頑張れる」
「いつも自分のために助けてくれる先輩のためにも頑張りたい」
「先生に褒めてもらえて、出来る事が増えているのが嬉しい」

このように話してくれるスタッフさんは継続することが出来ます。

皆さんの歯科医院ではどうでしょうか?

毎月100名近いスタッフと面談をしていますが、
多くの新人スタッフが自分の成長について悩みを抱え、
多くの先輩たちが育成について悩みを抱えています。

ぜひ、“育つ環境づくりの3つのポイント”を確認して頂き、
新人スタッフのマネジメントに活かして頂ければ幸いです。

ポイント1:職場内に相談出来る環境がある。

これは非常に重要ですが、この環境をつくれていないケースが多いです。

環境づくりを阻む要因はたくさんあります。

・出来ない点ばかり言われるので、会話をするのも怖くなってしまう
・相談すると「それ前に行ったよね。自分で考えて」と言われ、相談することが怖くなる
・忙しすぎて周りに笑顔がない
・新人同士が固まりやすいような仕組みになっていて、先輩との交流がない
・院長先生と話す時間がほぼない
・一緒にご飯を食べたりといった、仕事以外の話を持つ時間がない

以上のような状況はどの歯科医院でも起こり得ることだと思います。
それだけ職場内で相談出来る環境を作るというのは非常に難しいのです。

それでは、相談出来る環境はどのように作るのでしょうか?
それは下記のような取組みが考えられます。

・育成担当を新人毎につけて、毎日二人が会話する時間を作る
・出来なかったこと、相談したいこと、出来たことを日報に書いてもらい
院長先生からのフィードバックを5分程度で毎日実施する
・お昼は忙しくても一緒にとるようにする
・定期的に医院のイベント(食事会、誕生日会など)を開催する
・1週間に1回程度はカリキュラムの進捗を確認してあげる

「ここまでやってあげる必要があるのか」と感じられた先生もいると思います。
それに対する回答もありますが、ここには書ききれないので割愛します。
が、やってあげる必要性はあることは間違いありません。

また、「相談があったら聞いてね」とだけ言って聞いてこない新人を
責めるのは放置型のマネジメントの典型例です。
放置型は一番成果が出にくいマネジメントスタイルですので、ご注意下さい。

ポイント2:新人が憧れる先輩スタッフを組織で育てる

新人育成をしようと思うと、どうしても新人にばかり目がいきがちになります。
もちろん新人の個人のやる気などは大事なのですが、
それ以上に大切といっても過言ではないのが新人の1つ上の先輩の存在です。

なぜならば、新人はその先輩の1挙手1投足を真似していくからです。

何も知らない赤ちゃんが、言葉の意味がわからない時から、
親の口の動きを真似して話せるようになるのと同じです。

新人は、最初は医院内でやっていることの意味はほとんど理解できません。
その組織ではどういうことが褒められて、どういうことは怒られるのか。
何をしたら評価されて、何をしたら注意されるのか。
そういったことを感覚的に真似していくのです。

言われてみれば当たり前だと思いますが、
ここに気づけない組織も非常に多いです。

・先輩がメモを取らないから、後輩も取らない
・朝礼で先輩が顔をあげていなければ、後輩も顔をあげない
・先輩が朝笑顔で挨拶しなければ、後輩も笑顔で挨拶をしない
・既に慣れてきて練習をしない先輩を真似して練習をしない

このようなことが本当にたくさん起きていると感じます。
こうして、最初はやる気があった新人が変わってしまうのだと思います。

それではどのようにすれば良いのでしょうか?
非常に難しいですが、是非取り組んでみて下さい。

・先輩に後輩のモデルとなるようにしっかりと伝える。
・後輩は先輩の真似をするので、後輩にしっかり教えられるように復習しておくことを伝えておく
・先輩スタッフを育成担当として任命する
・育成担当が悩んでいることを院長先生が理解し相談にのってあげる
・新人の前で先輩スタッフが出来ていて素晴らしい点を褒める
・パートナーランチなどで先輩と後輩が話せる場を作ってあげる
・目標設定をすることで、先輩・後輩が目標を応援しあえる雰囲気を作る

このように先輩スタッフに育成担当としての意識をつけながら、
先輩と新人が仕事の話を出来る環境を整えていけると良いと思います。

「そういった先輩スタッフはいません」という先生もいらっしゃるかと
思います。その場合は、先生が先輩スタッフの役割をするしかありません。

ポイント3:自分がやっている仕事が好きになる仕組みづくり

以外と“仕事を好きになる”という観点がぬけてしまう場合は多いと思います。
先生とお話をしていると、先生ご自身は歯科医の仕事が好きだということを
感じることが多いです。

それは新人であっても同じだと思います。
むしろ続けられるかどうかはここにかかっていると思います。

好きになるポイントは意外に単純で、
それは「褒めてもらえる」ということだと思います。

子どもを見ていても思いますが、褒められたことを人は
繰り返してやるようになるのだということを感じます。

もう少し詳しく流れをお伝えすると、下記のようになると思います。

努力する⇒努力を褒められる⇒努力を継続する⇒出来るようになる
⇒出来たことを褒めてもらえる⇒もっと出来ることを増やそうとする
⇒もっと出来るようになる⇒更に期待をされて仕事の楽しみを教えられる
⇒仕事の奥深さを知りそれを目標にもっと頑張るようになる

この流れを実現するためには、
新人がやっていることを先輩、院長先生が見てあげて、
知っているということが非常に重要だと私は思います。

このように出来ることが増えていくことを、新人時代は実感しやすいチャンスの時期なのです。
出来たことが増えることで家族や友人に自慢できることは、
新人スタッフからするととても大きな喜びに繋がるのではないでしょうか?

皆さんの医院の新人スタッフの成長が、医院の成長に繋がっていきます。
育つ環境づくりという視点でぜひ取り組んでみて下さい。

投稿者プロフィール

渡邉 健二
渡邉 健二
早稲田大学卒業後、大手求人広告会社に新卒入社。
8年間の在籍中に2000社を超えるクライアントを担当。採用のノウハウを学ぶ。
社内ではセールスとマネジメントの異なる分野でMVPを受賞。また、育成したメンバーから全社MVPを輩出。人の強みを活かす育成・プロジェクト運営を軸に、成果を出している。
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