歯科医院の目標を達成するために大切なKPIの考え方

歯科医院の目標を達成するために大切なKPIの考え方 スタッフ教育

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はじめに

こんにちは。コンサルタントの渡邊です。

2017年も11月下旬。今年も残り1ヵ月となり、
目標を既に達成しました!」という嬉しい報告を頂き、
移動中の電車内で思わずガッツポーズをするような機会も増えてきました。

一方で、下記のようなご相談も良く頂きます。
「医業収入は達成したのですが自費率が・・・・」
「育成に課題が・・・」
「院内の雰囲気の課題が・・・」
「やろうと決めたことが浸透しなくて・・」
「今年は良いのですが来年は・・・」

実践会に参加して頂いている皆さんの成長意欲は本当に素晴らしく、
ちょっとやそっとの達成では満足出来ない先生が多く、
それもまた非常に素晴らしいと日々感じています。

皆さんが来年度更に目標を達成し更なる飛躍を実現するために、
本日はKPI(ケーピーアイ)という考え方をお伝えしたいと思います。
※KPI(キーパフォーマンスインディケーター)とは重要業績評価指標といって、
目標を達成するために鍵となる指標のことを言います。

KPIを立てる意味とは

例えば、「医業収入の20%アップを実現したい。そのためには自費率を30%にすることで実現したい。」
そう目標を立てたとします。

それをスタッフに会議等でなぜそう思ったのかを伝えて頂き、熱く語ります。
それを聞いたスタッフたちも、「院長先生のお考えが聞けて良かった!」
「自費率を30%にするために頑張ろう!」そう感じてくれているように
うんうんと頷いてくれています。

皆さんどのように感じましたでしょうか?
ここで、何か足りないことに気づけた方は、
日ごろからマネジメントを意識していらっしゃる方だと思います。

恐らくこれだけでは、スタッフの皆さんは先生が思ったようには動いてくれないと思います。
「目標も伝えて、自費率をあげるという方向性も示しているのに、スタッフは何もやってくれない」
「自発性が足りないのではないか」「やる気が足りないスタッフが多い」
そういうことになってきて、とても難しい教育や育成に頭を悩ませる日々を過ごすことになります。

「そんなことはない!」と感じていらっしゃる先生は、
今いるスタッフがとても優秀な方である可能性が高いので労ってあげて下さい。

では上記の何が問題なのでしょうか。

それは、「結局何をやったら良いかがわからない」のです。
自費率をあげたい、でも何をやったら良いかこれだけではわからないのです。
日ごろの会話を多く取れているスタッフはこれだけでも院長先生のやりたいことが伝わっていきますが、
会話量が足りていないスタッフは何をしたら良いかわからないという状態になっていきます。

その時にこのKPIを設定しておくことで、皆の日々の行動を
目標に近づけていくことが出来ます。

例えば「自費率30%にするためには、インプラントオペを毎月2回ふやしていこう」といった具合です。
これで少し明確になりました。
しかし実はこれだけでも十分ではありません。

KPIを設定する時のコツがありますので、次の項目でお伝え致します。

KPIを設定する時のコツ

KPIを設定する時にいくつかコツがありますので、その1部をお伝え致します。

1.結果指標ではなく、行動指標にする
先ほどの「インプラントオペを毎月2回増やそう」というメッセージは具体的に思えますが、
これでもやはり達成は難しいと思います。それは、インプラントオペが2回増えることは、
患者様が最終的に決断した後に起こる結果であって、自分でコントロールすることが出来ないからです。

この場合、行動指標にするためには「インプラントオペを増やすために、毎月5人の患者様にインプラントの説明をする」
という形で設定をしておけば達成の可能性は格段に高まります。

2.ハイパフォーマーの行動を分析する
なぜかこの子のカウンセリングの制約率はとても高いという子がいたりします。
同じような説明をして、同じように頑張ってくれていても結果が異なったりします。

その場合、何かしらの工夫をしている可能性が高いのです。
例えば、ほとんどのスタッフはカウンセリングを患者様の真正面に座って実施しているのに対して、
そのスタッフは横に座って実施していたりします。
このようなその子がやっていて、他の人でも真似できそうなポイントを探していけると良いです。

「自費率があがらない=カウンセリングをもっと徹底してやらなきゃ」となってしまうケースが多いですが、
これをしてしまうと頑張る組織ほど、やることだらけになり疲弊していきます。

3.分析をしっかりする

KPIを設定しても、それ自体が間違えていたら元も子もありません。
よく陥りがちなことは数値だけを見て、課題を分析し特定してしまうことです。
「キャンセル率が悪化している⇒キャンセルしないように事前電話をとにかくしよう」
確かに打ち手としてこのようなこともあると思いますが、集中的な天候不良によってキャンセル率が悪化することもあります。

その時にキャンセルはしないで下さいというメッセージを患者様にし続けたら、
とても不満に思う患者様もいらっしゃるかもしれません。

では、このような「分析をしっかりする」という目標を立てたとします。
これは残念ながら結果指標なので出来たかどうかは判断が曖昧になってしまいます。
そこで「数値に表れていることは実際に診療室で何が起きているかを分析するために、
スタッフと面談を月に1回実施する」これが行動指標のKPIとなります。

KPIを決めることで取組みの進捗管理がしやすい

重要な指標(例:自費率30%アップ)を決めて、
その達成のためのKPI(例:インプラントの説明を月に5回実施する)と決めた後は、
それが実際に出来ているかどうかを確認していくことが重要です。

KPIを明確にしていれば、それが出来たかどうかの判断基準が明確なため取組みの進捗は確認しやすくなります。
その上で下記のように考えていきます。

・KPIで決めたことが出来ていた場合⇒成果につながっているか確認し継続するかどうかを判断
※行動から結果が出るまでに時間がかかるケースもあるので、あまり早急に取組みをやめることはしないほうが良いです。
※兆しを発見し別の行動指標を足したりすることは効果的ですが、やることが増えすぎると物理的にやれないということが起きてきます。

・KPIで決めたことが出来ていなかった場合⇒出来ない理由を確認し継続するかどうかを判断
※出来ない場合は下記の3つの問題が考えられます。
①意識の問題②スキルの問題③時間の問題
それぞれの考え方は・・・
①改めて意味づけをしますが、その時は実行できた人の良い兆しを共有することが効果的です。
②出来ない人の割合が大きい場合はそのKPI自体に無理があったということで変更を検討していきましょう。
出来ない人の割合が少ない場合は育成の問題となるので時間をかけて育てていくことが重要です。
③他の取組みとの優先事項を明確にしてあげると良いです。

まとめ

このように、課題設定⇒目標の設定⇒KPIによる行動目標の設定⇒振り返りを行っていくことで、
目標まで最短で辿りつくことが出来る可能性が高まります。

KPIの設定を上手に行うためには、診療室内で患者様と触れ合っているスタッフの声を聞くことがとても重要です。

スタッフ数や時間は有限です。人数が増えてきて、とにかく何でもやっていこうと進めていくと、
やることが煩雑になりすぎて、実行が難しくなってきます。
ぜひ、精度の高いKPIの設定にチャレンジしてみて下さい。

このブログが、医院の可能性を拡げるきっかけになれば幸いです。
2017年も残り1ヵ月、頑張っていきましょう!

投稿者プロフィール

渡邉 健二
渡邉 健二
早稲田大学卒業後、大手求人広告会社に新卒入社。
8年間の在籍中に2000社を超えるクライアントを担当。採用のノウハウを学ぶ。
社内ではセールスとマネジメントの異なる分野でMVPを受賞。また、育成したメンバーから全社MVPを輩出。人の強みを活かす育成・プロジェクト運営を軸に、成果を出している。
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