MR経験は医療経営コンサルタントへの転職にどこまで役立つのか?
2017.03.11
皆様こんにちは!経営戦略研究所㈱の医療経営コンサルタント、山本峻士です。
私は新入社員の頃から約3年半、外資系製薬会社のMR(医薬情報提供者)として、横浜市内を担当しておりました。
入社2年目では全社TOP3、そして4年目には新薬発売半年で1300人中2位になった経験もございます。
そんな経験が、現在の医療経営コンサルタントという仕事にどこまで役立つのか?
ということを本日はお話したいと思います。
私が思うに、MRという仕事が今の仕事に役になっていると感じる点は、3点あります。
①医療従事者との関わり
②交渉力
③圧倒的な活動量
まず①の医療従事者との関わりという点です。
今の会社に入社をした際に、
「歯科医師という職業についている人は、ある意味で言えば、独特な職業である」という話を伺いました。
先輩方の中では、コンサルタントとしてデビューをする時には、
歯科医師という立場の人と、今まで交流があったわけではないので、関係を構築する上で苦労をしたということを仰っていた方もおりました。
しかしながら私はMRとして、大学病院の教授や、ある疾患で有名な先生方、様々は医師の方々と共に仕事をしてきましたので、
歯科医師という立場の方々に対して何の抵抗感もなく、コミュニケーションを取ることが出来ました。
私の主観ではありますが、歯科医師の先生方よりも、医科の医師の方がよっぽど変わった人は多く、無茶な要求をしてくる方はたくさんおります!!
もちろんそれは、医療経営コンサルタントという立場と、MRという立場の違いもあるかもしれません。
ですが、少なくとも私はMRという仕事で医科の先生方とどのように関係を構築したらいいのだろうか?と悪戦苦闘した経験がありましたので、
現在の仕事で歯科医師の先生方と話すときも、始めからスムーズに関係構築できた、ということはあると思います。
次に、交渉力というものです。
私は主に大学病院や総合病院を担当しておりました。
3年間の間で3製品の新薬発売に携わることができました。
MRの仕事で大きな役割の1つである、新薬の早期採用にとって最も大切なことは「交渉力」であると私は思っております。
どこの科の、どの先生から採用申請書を提出してもらえば通りやすいのか、
薬局長にはどのタイミングで、どのようにお伺いを立てるのか、
看護師向けの説明会をいつ実施するのか、
他に反対をしそうな人はいないか?その人にはどのように交渉するのか?
など、私は新薬の早期採用が最もMRとしての仕事のやりがいを感じておりました。
その交渉力が、今の仕事にも活かすことができていると感じております。
例えば、新しい取り組みを歯科医院に定着させたいとします。
院長の影響力が強ければ、院長から一言伝えて頂ければ済むかもしれませんが、
基本的にスタッフの方々は新しい取り組みをすることに反対することが多いのです。
いろいろな理由がありますが、大きな理由としては、
それをやったところで業務が増えるだけで、目先の給料は増えないからです。
数が多い医院であればあるほど、
まずは幹部スタッフに意見を聞いたほうがいいのか、
それとも院長夫人に聞いたほうがいいのか、
それに対して各スタッフさんには私から伝えたほうが良いのか、
幹部スタッフから言ってもらうのか、それとも院長にミーティングで話してもらうのか、
などということを決めていきます。
1人1人が納得した上で、新しい取り組みを全体に向けて提案したほうが、
反対されることもなく、スムーズに定着するケースもあります。
その歯科医院においては、誰に、いつ、どのように、話すのが良いのか、
それは様々です。
客観的に分析し、考え、提案していく交渉力はMRで培ったものがあったからだと感じています。
そして最後に一番重要な『圧倒的な活動量』です。
私は3年目で、ある大学病院と横浜市内でも1,2に大きな病院を担当することとなりました。
まさに白い巨塔のように、MRがズラーーーーっと廊下を並んでいた光景見て、
「なんだこれ・・・こんなにたくさんいるのにどうやって先生と話せばいいんだ。
むしろ関係構築なんてどう考えても難しい・・・」
という気持ちになったのを今でも覚えています。
どうしたら良いのか、わからずに、様々な失敗をしましたが、
ある決断をしました。
それは「自分の時間をすべて先生方に使おう。どんなメーカーもやっていないくらいの圧倒的な活動量で認めてもらうしかない」
といういうことです。
例えば・・・
・メールの即レスポンス
・依頼されたものはその日中に完結する
・お願いは絶対に断らない。無理だというものでもやってみる。
・休みの日もすべて先生方と一緒に過ごす
・病院訪問は一番最後までいる
などなど、本当に様々なことをしました。
当時はまだギリギリ接待もしていいルールでしたので、週2~3日は接待をしていました。
そしてその次の日の朝は病院で「朝がけ」をし、先生にお礼を言うなど、
当たり前ですが、他の人が絶対にやらないくらいまで実践しました。
MRという仕事は今でも大好きですが、一方で非常に過保護の業界だと私は感じておりました。
その中でも、現状に甘えることを一切せず、絶対に成果を出すまで妥協をすることはありませんでした。
その努力もあり、成果を出すことが出来たと感じております。
MR時代の経験があったからこそ、それが自信となって、今の自分自信があると思います。
コンサルタントという仕事は、大きく言えば、先生方やスタッフさんにアドバイスをする立場にあります。
あの時に、「仕事なんてこんなもんだろう」と妥協をし、努力もしなければ、
自分自信が思うに、人にアドバイスする立場にないと、自覚しています。
以上の経験から、私はMRで培った経験を現在の医療経営コンサルタントとして活かすことができております。