経営コンサルタントをやりながら大学院を修了するまでの道のり
2020.08.16
私は2012年~2015年に国内の大学院に通いました。2006年に経営戦略研究所に入ってから5年以上経過して、少しずつ慣れてきたので、もう少し自分の知識を深めてみようというのが理由です。文系でビジネス関連の社会人大学院というと、だいたいが専門職大学院になります。調べてみると(少し古いデータですが)30校くらいあるみたいですね。
弊社は横浜にありますが、出張が多い仕事ですし、正直大学の場所は問いませんでした。私は京都出身なので、なんだかおもしろそうだなという単純な思考で同志社大学大学院を選びましたが、大きなまちがいではなかったようです(ちなみに、私が最遠方の学生ではなく、かつて東北地方からも通っていた人がいたらしい)。
働きながら大学院に通うということは夜か週末に授業を受けることになります。歯科医院のコンサルティングは夜まで続くことが普通ですから、夜の授業に出ることは叶いません。そのため、基本は土曜の授業に出ました。同じように考えている人は多く、土曜だけでなんとか修了できるようにプログラムも組まれています。
しかし、土曜だけでは2年間で修了することはできません。課題も「ムリでしょ、これ」という量を課されてだんだん生活がハードになっていきます。最初は3年間で終わろうと計画していたのですが、雲行きが怪しくなってきました。
仕事を続けながらは難しいということで、上司に相談したところ「週4勤務(週3の休み)でどうか?」と打診を受けました。これには正直、驚きましたし、たいへんありがたい申し出でした。それで原則火~金曜は勤務、土~月は休みという体制になったのが2013年。残り2年は少し余裕が出で、月曜の夜の授業にも出席できました。
専門職大学院の授業が直接仕事の役に立つかと言うとそんなことはありません。一般的な企業にお勤めなら役立ちそうですが、歯科医院のコンサルティングには?です。じゃあどうしてたいへんな思いをするかということ、かなり自己満足に過ぎないように思います。人的ネットワークが得られるなんて言説もありますが、人脈のためになんて別に大学院に行かなくてもいいでしょう(フルタイムの学生のように時間があるわけではないし、みんな仕事と課題で必死の形相ですし、仲良しになるような余裕はないかな…)。
専門職大学院の場合、厳密は修士課程ではないので公的には修士論文の提出が義務付けられてはいないのですが、同志社が修士論文相当の論文を書かないと修了できないことになっていました。私の場合、この論文を書くことが役に立ちました。歯科医院の(マーケティング上)課題について、じっくりと半年かけて調べたり書いたりすることが、クライアントに伝えることが増えたり、セミナーの内容が充実したりという点でプラスの効果をもたらしました。
いま思えば、どうしてあんなハードなことをやり通せたんだろうと思いますが、勤務体制には助けられましたし、自分を追い込む場を持つことが重要なんですね。
五島 光
元関西の進学塾の先生で中学受験・高校受験生を指導。わかりやすい授業で人気を博す。コンサルティングでは、スタッフ数名から数十名のところまで個性的で幅広い歯科医院とじっくり向き合う。クライアント数は社内一。マーケティング、マネジメント、TC育成など仕組みづくりに粘り強く取り組むのが得意。「勉強好き」も社内一で、現在、社会人大学院で経営学を学んでいる。第1期から歯科医院スーパーTC育成塾メイン講師を務める。