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みなさんこんにちは!
歯科医院地域一番実践会、地域一番ディレクターの岡本雅史です。
ここ数年、業務効率化が叫ばれる中で歯科医院も
大幅な業務の効率化やIT化が進められてきています。
そこで実際に私のクライアントで行なっている業務の効率化、
その中でも受付での電話の減らし方についてお伝えしていきます。
受付における業務効率化は、
- ペーパーレス
- キャッシュレス
- 電話レス
この3つをどう進めるか、がカギになっているかと思っています。
歯科医院の受付の抱える問題点
歯科医院の受付は、医院が大きくなるまでは1名が専属で行っている事も多く、
受付のノウハウが個人に集約されてしまう、という問題があります。
1名で回せるくらいの患者数なので、比較的ゆったりと受付業務を覚えて、少しずつ
人数が増えてくる事に対応していって、最終的に患者数が倍近くまで増えたとしても一人で
回せる、そんな「スーパー受付」が、だいたいどの医院にもいらっしゃいました。
ただ、その受付が結婚や出産などのタイミングで抜けた際に、
代わりのスタッフを採用しても、当然いきなり多くなった患者数には対応できずに、
業務をゆっくりと覚える暇もないので、いつまでたってもスーパー受付のようには育たない、
という問題が多くの医院で発生しました。
新しく採用したスタッフも、ミスして凹み、みんなに迷惑をかけている事に申し訳なさを感じて
退職してしまう、そんな悪循環になってしまうわけです。
そういった状況を無くしていくためには、やはり受付業務を効率化して、
極力「受付業務」がなくなる事が望ましいと考えています。
多くの電話の中身
電話対応の多くはキャンセルやアポイントの変更、
初診の予約など、アポイントに関する電話です。
特に、アポイント変更の電話はこっちが提示した時間と患者さんの
都合が良い時間帯はズレる事が多いですよね。
「この時間はどうですか?」「その時間はちょっと都合悪いです」
のようなやり取りをしていると5分とか10分とか平気でたってしまうわけです。
だから、歯科医院の受付の業務効率化の1番のポイントは
キャンセルや予約変更の電話をどれだけ減らしていけるか、
というところじゃないかと、私は考えています。
使えないWEB予約変更機能
もちろん今使っているWEBの予約システムの中に
機能として予約変更という機能もあると思うんですけれども
その機能を使えている医院は少ないと思っています。
アポイントは医院によって取り方のルールがすごい細かく分岐していて
根治を並べちゃダメ、とかこのアポの隣にこれを入れる時は、
普段だったら30分だけど一時間にしなきゃいけない、などなど。
そういった細かいルールがある中で予約変更をWEBで
一律に受け付けてしまうと当然、アポイントがガタガタになってしまうわけです。
このWEBでの予約変更を受け付けられる医院は
・どんなアポイントも1枠30分
・ドクターも衛生士も担当はなく、空いている人が担当する
・何を重ねてもOK
(技工物に関しては、予約変更を受け付けられるシステムなら登録できる事が多い)
という限られた条件に当てはまる医院のみかと思います。
だからこそ、予約の変更やキャンセルは電話で受け付けざるを得ないのです。
電話恐怖症
更には皆さんは「電話恐怖症」という言葉をご存じでしょうか。
今はあらゆる世代で電話に対してストレスを感じる、という人が増えています。
セゾン自動車火災保険株式会社さんが行った調査では、
電話をするという行為自体にストレスを感じる人が全体の4割に及んでいます。
これは、電話を掛けるスタッフもストレスだし、電話を受けるスタッフもストレスを
感じている可能性が高い、という事です。
特に歯科医院の受付は20代~30代の方が多いと思いますが、
日常的なコミュニケーションはLINEやSNSに移行してきており、
電話をすること自体がストレスになる世代です。
患者さんも同様に、予約が入っているんだけれども
電話するのがちょっとめんどくさいなぁ、嫌だな、と思って
どんどん後回しになっていき、前日や当日になって
さすがに電話しなきゃなっていうことで直前で電話を入れるわけです。
(もしくは電話せずに無断キャンセル)
医院としても、直前でアポイントがあいてしまっても、
そこを埋める事は難しいですよね。
つまり双方が電話ではないやり方で予約の変更やキャンセルを
受け付けることができれば、お互いにメリットがあるわけです。
その他にも、電話だけで受付をしてたら
休診日や夜間、診療後の時間帯やお昼休みにしか電話できない人もいます。
月曜日の朝一のアポイントを変更したくても、
前日の日曜日や、土曜日の夜にはもう電話もつながらないので
結局無断キャンセルになってしまう事もありますよね。
普段働いている人ほど、医院の電話受付時間に電話ができない事が
多いのではないでしょうか。
なぜ電話でのみの受け付け?
では、なぜ多くの医院で電話でしかアポイントの変更や
キャンセルを受け付けないのかというと
「簡単にキャンセルをされそうな気がするから
ちょっとハードルを上げておきたい」
という理由が多いです。
でもよく考えてみてください。
例えばレストランでもクリニックでもなんでもいいですが、
予約をしてたんだけれども、何かしら別の予定が入ってしまって
キャンセルしなきゃ、、となりますよね。
その時に電話じゃなかったらキャンセルの連絡が
できないとなったとしても、もう別の予定が入ってしまったので
行かない、という事は変わらないですよね?
キャンセルの連絡が出来ないから、仕方ないから新しい予定をキャンセルしよう、
となることはあまりないのではないかと思います。
であれば無理に電話にこだわらずに、
キャンセルや変更を電話以外の方法でも受け付ける、
という事を初めた方が、時代に即しているのではないかと思っています。
結論
という事で、歯科医院の電話を減らすには、
電話以外の方法で、変更やキャンセルを受け付ける、という事です。
例えば google フォームであったり、LINE公式アカウントの活用ですね。
実際に私のクライアントでを使っている事例を
簡単にご紹介いたします。
Googleフォーム活用事例
ホームページにこのようなバナーを貼り付けます。
バナーを貼り付けてクリックした先に
このようにgoogleフォームを設定します。
患者番号や名前、出来れば変更の理由も聞くようにしています。
google フォームで受け付けることどんな理由でキャンセルが多いのか、
などのデータも蓄積することができるようになります。
あとは、変更後の希望する曜日や時間帯も最初に聞いておくことによって
無駄なやり取りが省けます。
これがないと「希望はいつですか?」
というこちらからの余計なアクションが一つ増えてしまうためです。
返信例
この google フォームで入力された内容は
受付が普段から確認するメールアドレスにメールで届くように設定しておきます。
メールを確認したら、任意のタイミングで
以下のような返信を行います。
―――――――――――――――――――――――――
〇〇様、お約束変更のご連絡ありがとうございます。
ご希望の曜日時間帯ですと、
- ×月×日×時
- ×月×日×時
が予約可能ですが、ご都合はいかがでしょうか。
院内でも同じ時間帯をご案内することがありますので
返信をいただくタイミングによっては既に埋まっていることがあります。
ご少々下さい。
―――――――――――――――――――――――――
LINE活用事例
ここでお伝えするLINEは、LINE公式アカウントです。
まずは友だち追加が必要になりますので
ホームページなどに、LINE友達追加のバナーを設置したり、
院内で友達追加を推奨するポスターを張ったり、初診コンサル時に
登録してもらう、など、登録者を増やしていきます。
登録してもらった後は、氏名と患者番号をメッセージで送ってもらう事で、
こちらの表示上の名前を変更します。
そうすると、誰からのメッセージなのかが一目瞭然になります。
そのために、LINE登録後に自動で送られる挨拶メッセージに、
フルネームと患者番号を送ってくださいという事を入れておくことを
オススメします。
メッセージはAI応答メッセージがおススメです。
普段の内容には自動で登録した定型文を返信をして、
個別のやり取りも簡単に手動に切り替える事ができます。
やり取りをしている人だけ手動対応にしておくと、
一覧で、誰とやり取りをしているのかが明確になるため、
対応漏れなどがなくなります。
また、特定のキーワードに反応して、特定の返信をさせる事も可能です。
例えば、リッチメニューに「予約変更」というボタンを設定して、
予約変更ボタンを押すと、「予約変更」というテキストが送られる作りにします。
その「予約変更」というキーワードに反応したときだけ、返信内容を
「予約変更を希望する曜日と時間帯をご入力下さい。返信いただいた内容にも自動返信メッセージが送られますが、スタッフが確認後に再度返信いたしますのでご安心ください」
のように設定する事ができます。
LINEでのメッセージのやり取りについては、
予約変更以外にも、質問や問合せなどあらゆる内容受け付けるのであれば
自動返信は「スタッフが確認後に折り返し返信致します」くらいにしておき、
予約変更だけを受け付ける場合には
「個別のやり取りは受け付けていません。予約変更を希望される方は
メニューの予約変更ボタンを押してください」
のような内容を設定することが多いです。
まとめ
電話がない代わりに、メールやLINEでのメッセージのやり取りは
当然ですが発生します。
ただ、電話との大きな違いは、こちらの手の空いたタイミングで処理できる、
という事です。
さらに、電話恐怖症という部分でのストレスからも解放されますし、
医院としては当然電話代も減るわけです。
もちろん、電話の方が効率が良くなることもあるかと思いますが、
まずはこのような取り組みをしていく中で最適解を見つけて頂ければと思います。
今後も歯科医院の受付における業務効率化の波は
確実に大きくなっていくと思いますので、ぜひ今のうちから
できる範囲で手をつけていくことをお勧めします!