歯科医院における歯科助手採用について

歯科医院経営ブログ

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こんにちは!経営戦略研究所株式会社 経営コンサルタントの山ノ内です。
今回は歯科助手採用について触れたいと思います。

歯科助手採用が難しくなっている背景

近年、歯科医院における歯科助手の採用は以前にも増して難しくなっています。その背景には、以下のような要因があります。

労働市場の変化

近年、労働人口の減少により、多くの業界で人手不足が深刻化しています。特に医療・介護業界では慢性的な人材不足が続いており、歯科業界も例外ではありません。

待遇面での課題

歯科助手の採用は基本的に歯科だけでなく、他業界との戦いもあります。他業界もこの人材難で給与面が上がっているところもあるので、なかなか厳しいですね。

職場環境の厳しさ

歯科医院では立ち仕事が多く、患者対応や診療補助など、精神的にも体力的にも負荷はかかります。また医療に関する知識習得など覚えることも多く、それを“やりがい”と感じられず、“負担”と認識する人も少なからずおり、離職率も低くありません。

 

採用活動で確認すること

歯科助手の採用を成功させるためには、単に求人を出すだけでは不十分です。しっかりとした戦略を持ち、ターゲットとなる求職者に訴求する必要があります。

ペルソナは明確にしているか

まず、どのような人材を求めるのかを明確にすることが重要です。

  • 未経験でも可なのか、それとも経験者を求めるのか
  • 若年層(20代〜30代)をターゲットにするのか、それとも主婦層(40代〜50代)も視野に入れるのか
  • 保育士や管理栄養士などの有資格者を募集し、活躍できるステージを用意するのか

明確なペルソナを設定することで、採用活動の方向性が定まり、求人広告の内容やアプローチの仕方が変わってきます。

競合調査

これはマーケティングにも共通しますが、採用も競合調査が必要です。他院が何を“ウリ”にしているのか、どのように情報発信しているのか、しっかりと調査した上で活動を始めるのが良いかと考えます。競合調査内容をエクセルやスプレッドシートなどでまとめておくとあとで比較しやすいのでそのようにすると良いかと思います。

そのうえで、医院の“魅力”は地域周辺でも際立っているか

優秀な人材を確保するためには、歯科医院自体の魅力を作り、アピールすることが重要です。特に以下のポイントは、多くの求職者にとって大きな判断材料になります。

退勤時間が早くなる仕組みづくり

単純に診療時間を早くするだけでは医業収入が落ちてしまい経営が苦しくなってしまうだけです。どのように対応したら業績を落とさず退勤時間を早められるのかよく検討した上で実行する必要性があるかと思います。「通し診療」「計画的付与の活用」「診療枠の短縮」など対策は色々とあるのでよくよく検討してからが良いかと思います。

家賃補助

家賃補助を提供することで求職者の関心を引くことができます。特に、地方から都市部または地方でも地方の中で中心地であるなら効果的になるかと思います。

企業型DC(確定拠出年金)

長期的に勤務する意欲を高めるために、企業型DC(確定拠出年金)などの福利厚生を導入するのも一つの手です。

週休3日制

近年、週休3日制を導入する歯科医院も増えています。ワークライフバランスを重視する求職者にとっては、魅力的なポイントになります。ただし、余計に人員が必要になったり、給与体系の調整が必要になるため、慎重に検討する必要があります。個人的には最終段階の位置づけくらいです。

“ゆるブラック企業”に注意

「ゆるブラック企業」とは、働く環境に大きな問題はないものの、“やりがい”を感じられない企業です。条件面は大切です。ただ、条件面だけで勝負すると、医院とミスマッチが起きてしまったり(マイナススタッフだけ増えてしまったり)、仕事を覚えたくらいの3年前後で辞めてしまったり、そんなことに繋がりかねません。仕事の“やりがい”や医院として“求めること”をしっかりと訴求するは大切です。

 

全包囲網で発信できているか

競合調査や、医院の魅力の再設定ができたら、次は情報発信です。さすがにもういないと思いますが、単に1つのサイトに掲載するだけでは不十分です。求職者にリーチするためには、多方面からアプローチする必要があります。

ホームページの活用

求人ページは必須ですね。そこから更に発展するなら求人専用サイト、求人用LPですね。どんな媒体を見て気になっても最終的にはここに行き着くと思いますので。

SNSの活用

どの求職者をターゲットにするか次第ですが、20~40代女性は特にInstagramやTikTokを見る人は非常に多いですよね。そこで医院の雰囲気を伝えることは大事ですね。マスク越しでも良いのでスタッフが出演することが大事ですし、院長先生のお人柄が出るような内容も大事です。

求人サイトの活用

求人サイトを活用することで、多くの求職者に情報を届けることができます。グッピー、ジョブメドレー、インディードは最低限必要だと思います。勿論、ハローワークも必要です。また、スカウトメールなどのダイレクトリクルーティングも積極的に活用しましょう。スカウトメールも1度送った人でも数ヶ月後に再度送るのも効果的です。

人材紹介も活用

最近では新卒の歯科助手でも人材紹介を利用するケースが増えています。「人材紹介=質の低い人材」ではなく、むしろ専門的なマッチングが行われるため、適性の高い人材を採用しやすくなります。医院で大活躍しているも多く拝見しています。ただし、このご時世につけ込み悪徳な求人サイト会社等もあるので知人の先生が利用して評判の良いところやコンサルタント等が知っている会社に留めておくほうがリスクは少ないかと思います。

最後に

歯科助手の採用は年々難しくなっていますが、適切な戦略を立て、医院の魅力をしっかりと伝えることで、優秀な人材を確保することは可能です。ペルソナを明確にし、待遇面とやりがいの両面からアプローチし、求人情報を効果的に発信することで、採用活動を成功に導きましょう。

もし、歯科助手採用に何度も失敗してしまっているなら、採用してもすぐに辞めてしまうなら、コストは高くなりますが、全スタッフ歯科衛生士で構築するのも一つの方法かと思います。

採用活動は短期的なものではなく、長期的な視点で取り組むことが重要です。継続的に医院の魅力を高め、働きやすい環境を整えることで、自然と応募が増え、離職率の低い職場を作ることができます。とはいえ、長期雇用で最も大事なことは「院長先生自身の器」かと思います。せっかく採用しても長期雇用できるかどうかは院長先生はじめ、院長夫人などの経営者層にかかっていることが非常に大きいです。経営陣が経営者としての資質を高めるためのインプット、アウトプットをし続けることが重要と考えます。弊社でも研鑽できるセミナーを用意しているので気になる方はお問い合わせください。

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