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みなさん、こんにちは、経営戦略研究所の横山光孝です。
医業収入はただ上げれば良いというものではありません。
戦略的な意図に基づき上げていかないとスタッフの退職が頻発します。
歯科医院が成長するということは、医業収入が増えることではありません。
医院経営の生産性が上がることです。
日々、歯科医院にお伺いをして経営課題への取り組みを院長やスタッフのみなさんと打ち合わせしています。
打ち合わせの中では患者様をいかに増やしていくのか、つまり増患対策が課題になることも少なくありません。
医院ごとの状態に合わせた手法を落とし込んでいくことになります。
実はその前に是非とも実施しておくことがあります。
それは自院の収益性マトリックスの確認をしておくことです。
売上総利益率が低いまま、増患をしていくと患者様が多くなっているが利益率は低い状況が続きます。
自医院の売上の柱はどのようになっているでしょうか
・保険治療
・自費補綴治療
・インプラント治療
・外科処置
・矯正治療
・予防歯科
・小児歯科
など、それぞれの医院によって治療内容の幅や偏向があると思います。
医院全体の売上総利益率と同時に、これら処置ごとの売上総利益率を算出するのです。
私の訪問先では82~90%の間に収まっています。
各治療の構成比率により利益率は変化します。
売上規模や医院規模にもよりますが、売上総利益率が80%を下回る場合は、増患の前に収益性の向上に取り組むことが必要です。
そうしないと患者様は多くなり医院は忙しいが、利益は出にくいのでスタッフの給与や賞与に還元をすることが難しくなりスタッフのモチベーションは下がり、退職につながることもあります。
退職につながらなくても、医院の雰囲気が悪くなり患者様の減少が起きたりします。
また売上総利益率が80%を超えていたとしても構成比の確認が必要です。
収益性の低い治療が治療構成比の大きな柱になっていると増患をしていくことで収益性が落ちていくこともよくある現象です。
増患マーケティングを実施していく際には、
・現状の治療アポはどのくらい埋まっているのか
・現状のメンテナンスアポはどのくらい埋まっているのか
・治療キャンセルはどのくらいか
・メンテナンスキャンセルはどのくらいか
・メンテナンスを増やすためのDH人員はいるのか
・カウンセリングを実施することは出来そうか
・インプラントカウンセリングは出来そうか
・カウンセリングを実施することで自費補綴治療ばかりが増えることにならないか
・紹介をお願いする患者様層は、これから強化しようとする治療内容と比較して、その層でよいのか
などを事前に確認して戦略的に増患をしていくことが必要です。
治療を収益性の大小で考えていくわけではないのですが、今後必要とされる診療時間の短縮やスタッフの労働環境の整備を鑑みると今まで以上に医院経営における生産性の向上が必要になってきます。