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皆さん、こんにちは!
歯科医院地域一番実践会の萩原直樹です。
本日は歯科医院の現状分析に関してお話をしていきたいと思います。
医院数値把握
ご自身の医院の数値はご存知でしょうか。
それは当然知っているとお答えになる方でも詳細を把握していない方が非常に多いです。
医院を伸ばして成長されている歯科医院の経営者の特徴は自分の強みや弱みを客観的に理解しており、その中で長所を活かし、短所を改善している点にあります。
医業収入が伸びている中でも決して安心せずに、医院の現状分析をしています。
「インプラントがたまたま重なって倍近い自費になっているのか」
「保険点数が高いと思ったら診療日数が多かった」
「リコールと多い月は一定の月になっているな」
などです。
意外とこのような医院の傾向を把握していない場合が多いのです。
新患や自費などに関しては医院の経営を動かしていくのにも関わらず、
変動の理由をみていないことがあります。
・自費の構成でどの補綴物が多いのか
・リコールにつながる歯科衛生士は誰なのか
・キャンセルが多い患者様の傾向はどうなのか
現状分析を行う時はまずは数字を全てテーブルに並べてみることです。
昨年との対比、先月との対比などをしながら、変化がある数値を追っていくのです。
特に月による季節変動は必ずあります。
去年の12月の医業収入が高いのであれば、今年の12月の医業収入も高くなる可能性があります。
しかし、それはなぜ起きるのかを確認してみてください。
ボーナスで支払いに余裕ができるから…
と答える方もいらっしゃいますが、決してそれだけではないと思います。
TCのモチベーションが高かったので自費が決まった。
リコール率が高いため、患者数が増えた。
色んな理由を検証しなくてはいけません。
数値が減ったときも同様です。何が減ったのかを見にいくことによって自分の医院が取り組むべき事が明らかになってきます。
数値の見方
医業収入をひとつの単位として見てはいけません。
自費、保険で分かれており、
その中でも
自費なら新患数、既存患者様の自費移行率、カウンセリング数、決定率など、
保険ならリコール率、治療回数、治療内容、保険点数など
細かく分けて考えることです。
私は大学院に通いMBA取得しましたがハーバード大学のケーススタディでも、
「分けたらわかる」
という学びがありました。
一色単に混ざってしまっているから打ち手がわからないのです。
ひとつひとつをバラバラにして分解していくことによって、歯科医院経営の強み・弱みを理解することができます。
大学院の授業でも「カレー」という表現が用いられていました。
カレーが美味しくなかったときに評価するのはカレー自体ではなく、
そのカレーを構成する要素(材料、ルー、火加減、水、料理人の技術、時間など)を分解することでより美味しいカレーをつくれるようになるのです。
まずいカレーを作ってしまったから今度は美味しいカレーをつくるように心がけよう!
という目標はあっても、意味のないものです。
まずいカレーを作ってしまったのはルーが原因かもしれないので、ルーを変えてみよう!
など具体的な施策まで落とし込むことが重要なのです。
数値が示すもの
歯科医院の数字はうそをつきませんので、構成されている数字項目によってある程度の患者様満足度が測れます。
自費率 = 患者様の治療に対する信頼度
キャンセル率 = 患者様の来院に対する意識、責任感
リコール率 = 歯の重要性に対する理解度
新患紹介率 = 医院の治療における満足度、信頼度
中断率 = 説明に対する理解度
上記の数値を理解することで様々な対策を打つことができます。
分析をして終わりではありません。
分析の後の施策がなければ分析も効果がありません。
分析して数値が良い場合は継続し、悪い場合は仮説立てをして改善プランを実行することです。
これは健康診断に近いですね。健康診断で数値を測った後にどう改善するかが重要であるのと同じことです。
2キロ太った数値を見て、何もしなければ変わりません。むしろ悪化する可能性の方が高いです。
数字を見たら「増えている」「減っている」「変わらない」ということを考えるのではなく、
改善まで考えを廻らせていきましょう。
分析のゴール設定
歯科医院における数値分析においては自分の医院の長所短所を知ることができます。
自費率が悪いからと言って決して自費を改善しなくてもいいのです。
それで保険がしっかりと回っていて、理想的な治療を提供できており、それが理想のスタイルだと思うのであれば医院のスタイルに合わせて進むべきです。
そうした場合には自費率の数値はそのままにしておき、いかに保険の患者様が中断しないかを見ていった方が建設的です。
分析とはゴールを設定してから行うものです。特定の数字を見て、知り、改善が必要か否かを把握したいというゴールがあってこそ分析は活きてきます。
まずは今自分の手元にある数値分析を正しく行えば今後すべきことが見えてくるはずです。
現状に向かい合い、未来へのヒントを手に入れましょう。