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皆さん、こんにちは。
歯科医院地域一番実践会、コンサルタントの吉田です。
最近よく聞く「従業員(スタッフ)満足」という言葉。日本では顧客満足という概念が先行しており、従業員の満足度を向上させるという取り組みは諸外国と比較し遅れているということを聞いたことがあります。
「良い職場」が競争力を生み、供給過多の市場でも高い成長を実現できるということ、従業員(スタッフ)への投資が業績改善につながるということ、最高のおもてなしは従業員(スタッフ)満足から生まれるということ・・・など、従業員満足度を向上させる利点について紹介します。
従業員満足度を上げるには、福利厚生やお給料といった待遇をよくするだけではなく、『マネジメント』、『職場環境』、『仕事のやる気、モチベーション』といった面で、職場(歯科医院)で働くことの満足度を高めることが大切だそうです。金銭報酬は、少ないとネガティブな感情を呼び起こす一方、多く与えたからといってやる気やポジティブな感情とは比例しないと色々な研究からも言われています。金銭報酬は従業員満足度に直結するものではなく、金銭的報酬だけでない、非金銭的報酬を正しく理解し、スタッフのモチベーションアップにつなげることが大切です。
では具体的に、どのような職場改革を行って行くと良いのでしょうか?
様々な実践例がございますが、その中でも、このブログでは「エンパワーメント(権限委譲)」について注目したいと思います。
このエンパワーメントという言葉も最近よく聞きますがご存知でしょうか。
人はそれなりの権限を与えられていると、主体的・前向きに仕事に取り組むことができる傾向があります。人は心のどこかで承認欲求を満たしてほしいという感情があるのです。例えば、院長先生からの指示に従うだけではなかなかモチベーション向上には繋がりませんが、「この仕事は君に任せた」と言ってもらえると取り組む姿勢も変わってきませんか?
権限委譲は、働きがい・パフォーマンスの向上に繋がり、組織全体に好影響を及ぼすと考えられています。従業員が自由に仕事をしながら職務に対する責任を自覚することで、仕事のモチベーションが高まり、働き続けたいと思えるような「良い職場」になる、当然満足度向上にも繋がるわけです。
しかしこの権限委譲が難しい!なんでもかんでも仕事を丸投げするということではありません。フォローも大切になってきます。仕事を任せる側の人は、この人にだったら権限、自由、責任を与えても大丈夫だ、という人を見抜いて任せなければ職務規律との緊張関係をうまく調整できなくなります。簡単にいうと、やりたい放題されてしまって逆に悪い職場環境にも繋がりかねません。
HONDAの創始者である本田宗一郎は「得手に帆あげて」という言葉を使っていますが、この「得手に帆あげて」は、追い風に帆を揚げて、船がぐんぐん前進していく様子から、得意とすることを発揮できるチャンスに恵まれ、それを逃がさずに利用して大いに前進することを意味しています。本田宗一郎は、自分の「得手」部分である技術開発に集中するため、不得手であったお金の工面など経営面はパートナーである藤沢武夫に全幅の信頼を寄せ、実印まで渡していたというのは有名な話ですね。役割分担、権限委譲が大成功した極端な一例ですが・・・。
さて、スタッフ満足度を高める手法はたくさんあります。その中で今回は権限委譲の重要性について書かせていただきました。仕事を任せる側の人が、スタッフ満足度を高めるために権限委譲を行っていこうとした場合、今日からできることは、スタッフ一人ひとりの「得手」を探してあげること。そして、思い切って任せてしまうことで仕事に対する責任感や使命感を持たせること。ここからスタートしてみてはいかがでしょうか。また別の機会に、従業員(スタッフ)満足度を向上させる他の方法についても紹介させていただきます。