診療時間を短くするとすべてが上手くいくのか?

業務効率化

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皆さん、こんばんは。
経営戦略研究所 コンサルタントの山下です。

早速ですが、昨今「働き方改革」という言葉をよく耳にする機会が増えましたが、
この「働き方改革」と聞くと皆さんはどのようなイメージを抱かれるでしょうか?

恐らく下記のようなイメージをお持ちではないでしょうか。

働き方改革=長時間労働の改善

このイメージは間違っていません。

働き方改革の1つに長時間労働の改善は大きな柱として組み込まれており、
国をあげて様々な対策が講じられています。

この流れを受けて、歯科医院でも「働き方改革」の話を院長先生とすることがあります。
最終的に行き着く点が、診療時間を短くするかどうかです。

私の知っている先生の中でも、
長時間労働改善のために診療時間を短縮した院長先生がいます。
本当に素晴らしいご決断だと思います。
そして、この決断は長時間労働の改善だけではなく、採用でもプラスの効果を生み、
医診療時間を短くしたことにより、飛躍のきっかけとなることがあります。

しかし、ここで注意が必要なのは、
「診療時間を短くすればすべて上手くいく」という安易な考えです。

確かに診療時間を短くすれば、採用にも有利になり、
従業員の満足度アップに繋がり、定着率も高まる可能性は高いです。

しかし、ここでお伝えしたいことがあります。

それは満足度が仕事のパフォーマンス・生産性と
あまり相関しないという研究結果が発表されているということです。
診療時間を短くし、福利厚生は充実させることで、満足度は上がるが、生産性が高まるかというとそれは別の話ということです。

実際に、夜21時まで診療をしながらも、スタッフは辞めず、
毎年成長を続けている医院もあります。

皆さんの近くにもそのような医院は存在していませんか?

指示もしていないのに、夜遅くまで残って練習を続けるスタッフ。
明らかにハードな環境であるのにもかかわらず、なぜか一致団結している歯科医院。

時代に逆行するような医院がなぜ成長を続けるのか?

その理由はスタッフの「存在意義」「目的」が明確だということです。

具体的にはどういうことか。

それは院長先生が今後実現していきたい医院の姿を全員が理解し、共感し、
その理想に向けて、自分自身が何をすべきか、
どのような役割を果たさなければならないかが明確だということです。

そのような医院のスタッフと面談をしていると、

「今医院が〇〇に力を入れていて、私が〇〇をしないといけないんですけど、上手く進めていくためにはどうすれば良いですか?」

このようなやりとりが非常に多いことに気付かされます。

スタッフたちは、医院の進むべき方向性を理解し、そのなかで自分の存在意義を見出そうとしているのです。

このような医院を創ることは短期的には不可能だと思います。

毎年、医院の方向性を伝えるキックオフの開催。
個人の成長をサポートする定期的な面談。
ただの日常会話だけの面談ではなく、期待役割を与え、スタッフのストレッチゾーンにある目標設定を行う面談。
「あなたが居てくれたおかげでこんなにも良くなった」「あなたはこの医院でいいんだよ」というねぎらい。

この繰り返しが成長を続ける医院の土台を構築していくのです。

「働き方改革」=「診療時間の短縮」だけではなく、

「働き方改革」=「存在意義の明確化」

この視点も入れながら、経営を推進できると更なる飛躍を遂げるのではないかと思います。

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