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みなさん、こんにちは、経営戦略研究所の横山光孝です。
日々、歯科医院にお伺いをして経営課題への取り組みを院長やスタッフのみなさんと打ち合わせしています。
数字が全てではないですし、財務的なことなので詳細までは言及できませんが、私のクライアントで今期、経常利益1億円を達成した医院さんがあります。
多くの医院さんがまずは年間医業収入1億をひとつの目標としている中で、経常が1億を超えるというのは大きな成果と思います。
といっても、この医院も私がコンサルティングに訪問した当初は年間医業収入が1億円に達していなかったのです。
その医院が数年後に経常1億にどのように活性化していったのでしょう。
医業収入が1億円に達していない医院がいきなり利益1億になることは不可能です。
そのためには着実に一段一段階段を登っていくしかありません。
登る階段が目の前に既に出来ているわけでもありません。
登る階段自体を一個一個積み上げていくことが必要です。
階段の積み上げ方としては、まずは地域一番歯科医院を目指すことです。
まずともかく、地域一番歯科医院の基準である年間医業収入1億円を目指すのです。
・オウンドメディア、アーンドメディア、ペイドメディアを始めとしたネット関連マーケティングの取り組みの徹底
・医院ファサード、野立て、紙媒体によるプロモーションによる認知度向上マーケティング
・求人、採用、定着、モチベーションアップ、リーダーシップ、チームワーク、ネットワーク、エンパワーメントマネジメントの徹底
・カウンセリングシステム、顧客満足度、最新医療機器導入、治療技術アップ、専門性の訴求といった院内マーケティングの徹底強化など
色々とカタカナなど入れましたが、基本的には経営塾ベーシックでわかりやすく、かつ医院に落とし込みやすい形でお伝えをしている手法を徹底的に実践することで確実に年間医業収入をまずは1億円にしていくのです。
年間医業収入1億円の段階では、ややもすると一時的に6000~8000万円のときより利益が減ることもあります。
増収減益の現象です。
この際に利益を下げた原因となる経費の内容をしっかりと判断することが重要です。
・新患増のための広告宣伝費や人材育成のための教育投資で経費が増加しているのであれば、その費用対効果の推移を見ていく
・カウンセリングシステムの導入や増える患者様を受け入れるためにカウンセリングルーム増築やユニット増設をすることで減価償却費が増加している
・新たにTC採用やDr採用で人件費が増加している。その後のカウンセリングでの自費アップや治療患者様増への取り組みも進んでいる
など投資活動によるキャッシュフローとして利益が減少しているのであれば、着実にその後、営業活動によるキャッシュフローを増やしていくことに専念していけばよいのです。
これらを戦略的に進めていくためには貸借対照表、損益計算書、CF計算書などの財務諸表がしっかりと記帳されていること、その分析が出来ていることが必要です。
これら財務分析や管理会計分析は1億を目指す時期からしっかりと取り組むことが良いです。
医院が大きくなってから数値管理をするのではなく、将来、強くなる医院は最初から数値管理は徹底しているのです。
そうでなければ大きくも、強くもなれません。
管理会計数値を見ながら
・カウンセリングをシステム化することで自費アップをしていく
・自費アップで院長が自費治療をしていくために保険治療を担ってもらう勤務Drの採用、育成を進めていく
・治療中の保険治療が終了したら、カウンセリングを通じてメンテナンスに移行させていく
・そのためのメンテナンスを担当するDHの採用、育成が着実に進めている
・メンテナンスが増えていくのでユニット増設をする準備が出来ている、そのための投資をしているので経費がアップしていくのも財務諸表に織り込み済み
⇒メンテナンスがしっかりと増えると利益が大幅に向上していく
などの経営管理の方程式をしっかりと立てて行動をしていく、実践をしていく、計画をしていく、投資をしていくことなどがほんの一例です。
戦略的な診療科目ミックスと、それを実現する人材、設備投資の整合性が重要です。
経営は先を読みながら、現在の決断をしていくことです。
その場、その場の場当たり的な、もぐらたたきでは利益は永遠に増えません。
戦略的思考の具体化が必要です。
是非、この時期に今後の中期経営計画と年次経営計画をしっかりと立てていきましょう。