歯科医院における管理栄養士のカウンセリング

歯科医院経営ブログ

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みなさん、こんにちは、経営戦略研究所の横山光孝です。

日々、歯科医院にお伺いをして経営課題への取り組みを院長やスタッフのみなさんと打ち合わせしています。

最近、私のお伺いをしている医院で管理栄養士の採用がどんどん増えています。

昨今の健康や食事の摂り方、健康寿命への関心の高まりも相まって管理栄養士のカウンセリングフィールドが大きくなってきています。

歯科医院では、虫歯や歯周病を治療して患者様に「豊かなスタイル」を提供いています。

よく噛めるようになり、何でも食べることが出来るようになるので、無自覚にそれまでの食生活を続けていると食べ過ぎにつながり肥満や生活習慣病を引き起こすことにもなりかねません。

食べることが出来るようになった後は、「食べ方の啓蒙」を実施していくことが必要になります。

私がお伺いをしている医院で管理栄養士がトリートメントコーディネーターとなりカウンセリングを実施している場合、初診カウンセリングから補綴カウンセリング、メンテナンスカウンセリングまでの一連のカウンセリングとは別に栄養指導カウンセリングも実施してもらうことが増えています。

・Drは虫歯や咬合などを初めとした口腔内全体の診断と治療
・DHは歯周病治療やメンテナンスとセルフケアの重要性の伝達
・TCはDrとの橋渡しや信頼関係構築また治療計画の伝達
・管理栄養士は治療後の食生活の改善指導
というように役割を分担しています。

栄養指導カウンセリングでは以下のポイントを伝えています

・「健康で豊かなライフスタイル」を実現するためには、虫歯や歯周病を放置しておくことは論外。ですからまずは治療をしましょう。

・治療をせずにこれらを放置しておくと食生活が炭水化物(糖質)など軟らかいもの中心になり高カロリー低栄養になる

・炭水化物(糖質)などの軟らかい食物はよく噛まずに飲み込めるので、早食いや丸呑みが習慣化するので
→食べ過ぎ
→糖質過剰
→肥満、高血糖
→生活習慣病
→耐糖能異常
→糖化タンパク質(AGEs)
→動脈硬化、骨粗鬆症、アルツハイマー、糖尿病、その他多数の各病状
という悪循環になってしまう危険性が高まります。

口腔内を健康にすると本来、咀嚼機能値は上がります。
このタイミングでしっかりと噛む食生活の重要性やどのような食材を摂取することが重要かを伝えていきます。

咀嚼力が弱くても炭水化物などの軟性食品は食べることが出来るのでカロリーは取れます。
しかし噛み応えのある野菜類、肉類などに多いビタミン、ミネラル、食物繊維、タンパク質などは不足しがちです。

咀嚼力が戻った際に、これらの食生活を指導するのです。

日本歯科医師会が提唱をしている「噛ミング30運動(カミングサンマル)」という食べ方を通した食育運動などもありますので参考にしてみて下さい。
また食材を摂取したあと、ブドウ糖に変わり血糖値を上げる速さの値をGI値といいます。
GI値が高い食材は食後すぐに高血糖値になるので膵臓が疲弊してしまいます。

ですから食後の血糖値がゆるやかに上昇をする低GI値食材を摂ることがよいのですが、低GI値の食材は概ね奥歯がないとしっかり噛めないものが多いのです。

これらの食物や栄養に関する知識を管理栄養士が伝えていきます。

加えて、より科学的に説明をするために、体内の栄養やミネラルバランスなどをオリゴスキャンという機器、タンパク質、ミネラル、部位別筋肉比率などをインボディという体組成計で計測した上で栄養指導をしている医院もあります。

今後の歯科医院でのカウンセリングはより幅が広がっていくことが予想されます。

それにより管理栄養士の活躍のフィールドも大きくなりそうです。

人材不足の昨今、大学卒でないと取得出来ない管理栄養士の国家資格者の人材採用も念頭において情報を収集しておいてはいかがでしょう。

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