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皆様、こんにちは!
地域一番実践会コンサルタントの山本です。
本日は、
法人で退職金目的の生命保険に加入出来なくなる!?個人事業主も一読の価値あり!
というテーマでお伝えしたいと思います。
私は、前職生命保険の外交員を行っておりましたが、皆様は今、生命保険業界で大きな改革が起きている事をご存知でしょうか。
現在も個人事業主であり、今後も法人化する予定はない、という方には直接的に影響はありませんが、
法人化されている歯科医院においては、非常に大きな影響を及ぼすことです。
わずか1か月ほどの保険業界で大きな変更があり、はっきり言って全く予想していない自体が起こっております。
それは、
「法人のキャッシュで、経費扱いになりながら院長を含む役員の退職金の積み立てが禁止」となったのです。
(詳しくはこちらの記事をご覧ください。)
https://diamond.jp/articles/-/194768
今まで、法人化する1つのメリットに、法人のキャッシュで院長個人の退職金の積み立てが出来る、という事がありました。
一般的な生命保険は、平準定期保険や逓増定期保険という、半分損金扱いが出来、10-30年後(プランによって異なります)に払った金額に近い金額が貯まっている・・・こういう保険がほとんどでした。
ですが、今から約3年程前に、全額損金扱いしながら、退職金積立が出来るという商品が発売され、それ以降全国の中小企業で爆発的な人気商品となったのです。
それ以降、多くの生命保険会社がこの「全額経費で落としながら、積み立てが出来るプラン」を続々と打ち出したのです。
しかし、今回このような税制改定があったキッカケになったのが、この商品です。
生命保険というものは本来「保証」を目的に加入しなければならない、という原則があります。
この全額経費扱い出来る商品は完全に積み立てが目的になっていることが明白であり、これにより全額経費扱い出来る商品は売り止めになったのです。
しかし、それだけではないのでは?と言われております。
恐らく3月中には、正式な税制が国税局から発表となりますが、
今まで半分経費扱いになっていた、平準定期保険や逓増定期保険までも、今後経費扱いにすることが出来なくなるかもしれない、と言われているのです。
もちろん、まだ確定したわけではないですから、今の時点ではあくまで憶測ベースになってしまいます。
今後の動向を確認した方がよいと思いますが、少なからず何らかのメスは入ると言われております。
「え?そんな事知らなかった!いつまで積み立て保険を法人で入れるの?」
と心配されると思いますが・・・残念ながら現在はどこの生命保険会社も、法人保険の加入は税制が確定するまでストップしております。(一部の保険会社は2月末まで申し込みが出来ます)
今後の事は確定するまでわかりません。もしかすると新たに保険会社が新しい法人保険を作り出し、
法人のキャッシュで積み立てが出来るプランも出来る可能性もあります。
また、半分経費扱い出来る商品はそのまま継続出来る可能性もあります。
ただし、ここで注意しなければならないことあります。
今回のブログでは、ここが最もお伝えしたいポイントです!
◆ 法人でも今後も加入出来る生命保険とは?
まず、今回はあくまで法人のキャッシュで積み立てが出来る商品に対しても税制の改定ですので、
それ以外の法人保険は加入可能です。
例えば、掛け捨ての死亡保障のみの保険や医療保険(介護保険)などです。
純粋に院長を含む理事に何かあった場合に対する保証を目的とするのであれば、今後も問題なく加入が出来ます。
また、積み立て目的でも今後加入できる内容は1つだけ継続されます。
それが、「従業員向けの福利厚生プラン」です。
つまり従業員に対する退職金の積み立てです。
この内容の場合は、院長を含む理事も加入可能ですし、半分経費扱いになります。
しかしここで注意しなければならないことが2つあります。
①全員加入が原則
福利厚生プランの場合は従業員全員加入が原則です。
特定のスタッフのみ加入などは選べません。
ただし、勤務して1年以上経過した場合のスタッフなどというように、
一部ルールを設ける事は可能です。
ただし、中小企業退職金共済制度(中退共)と異なるメリットがあります。
それは、解約した場合の解約返戻金は法人に入ってくるので、
退職するスタッフにいくら支給するのか、そもそも支給するのかしないのか、を選択することが出来ます。
中退共の場合はそのスタッフと紐づく為、例えば労務問題で医院に悪影響を与えたスタッフでも、退職金を支払わなければならなくなります。
しかし、就業規則などを見直す必要もありますので、
安易にこの福利厚生プランを導入しない方が良いと思います。税理士さんやプロのライフプランナーに相談することを強くおすすめします。
②加入内容には一定の上限がある
先ほどお伝えしたように、もし今後法人で経費扱いで積み立てが出来なくなると、
この福利厚生プランに院長自身も加入していき、積み立てをするケースが増えていきます。
しかしながら、生命保険会社にもよりますが、加入できる保険金や保険料に上限があります。
そのルールを厳密に把握した上で、院長自身の退職金積立金額を設定することをおすすめ致します。
◆ 税理士さんや保険屋さんの「問題ないです」には要注意!(個人事業主の先生も!)
私は、実際にクライアント先などで現在加入している保険の内容を拝見いたしますと、
かなりグレー(一部ほぼアウト)の保険に加入している先生方が非常に多くいらっしゃいます。
これは法人に限らず、個人事業主の方も同様です!
確かに出来る事ならば、節税をしながら退職金積立などもしていきたい気持ちもわかります。
しかし節税をしたいがあまり、本来の税制のルールでは完全に経費扱いできない内容のプランを決算上で経費扱いにしてると、後々国税局にバレた時に追徴課税を払わなければならなくなります。
追徴課税は1,5倍ほど通常より多く支払わなければならなくなります!
私も元々プルデンシャル生命に勤めておりましたので、そのようなプランを進める保険屋さんの気持ちはとてもよくわかります・・・
しかしながら、今回の税制改定のように、今後ますます国は税金を厳密に徴収する体制を強化してくることは間違いないと思っていた方が良いです。
「この保険・・・本当に大丈夫なのか?」
と思ったら、まずは税理士さんや他の保険会社の方などに必ず確認した上で、保険加入をおすすめ致します。
この1-2ヶ月は生命保険業界の動きを、先生ご自身でも把握することが重要です。
無知はコスト
本当にこの言葉を忘れずに、院長先生ご自身でも広い視野を持って知識を身に付けることが何よりも重要です!