代診が独立して初めてわかる【苦悩】と【挫折】

成功哲学・成功法則

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こんにちは!

歯科医院地域一番実践会の萩原です。

代診の先生方から独立したほうが良いか聞かれることがあります。

そのような代診の先生は下記のような言います。

「院長先生より働いているのになんでもっと給料が良くならないのか。」

「私も独立して自分の提供したい治療を行う。」

「院長の身勝手な行動のフォローを私がしている。」

などです。

確かにすごくフォローされている代診の先生方もいらっしゃいますが、ただ現状が嫌なだけで独立を安易に考えると痛い目にあいます。

独立した先生は経営者視点で見れていないことがたくさんあるのです。ちなみにこちらの投稿は開業を怖がらせるような内容ではなく、開業をするのであれば本気で覚悟を持って行う必要があることを伝えています。自分に本当にできるのだろうか、この競争環境において抜け出すものを持っているのだろうか、お読みいただきながらお考えください。

熾烈な競争環境

歯科医師の年収は減少傾向は1990年代後半から徐々に下がってきています。理由としては歯科医師と患者の需給のバランスが成り立っていないことがあります。現在の歯科医師の数は地域人口10万人あたり80人以上となっています。

10万人が全員毎月歯医者に通うことはないので、半分の5万人が月に1度受診する計算にしても、1施設あたり月間625名、22日で割り出すと1日の患者様が28.4人になるのです。

1950年代から60年代の日本は「虫歯の洪水」と呼ばれる時代。国民の3人に1人が虫歯と言われていました。しかし、現在はセルフケア、フッ素塗布やメインテナンスによる予防歯科が広がり、全顎的治療を必要な患者数が減少。

歯科業界は患者様の取り合い、熾烈な競争が繰り広げられています。郊外で無い限り、半径3km程度のエリアで歯科医院は30件ほど存在しています。都心の駅前では一駅から半径1.5km圏内に20件以上の歯科医院がある地域もあります。

金銭的リスク

今の年収はいくらですか??

開業すると一時的ではなく、長期的に勤務医の時よりも年収がさがる場合があります。弊社にご相談いただいた院長先生も代診時代には1400万円程度、開業してからは500万弱になりました。

厚生労働省「平成30年 賃金構造基本統計調査」を参考にすると歯科医師の平均年収は823.9万円となっております。また第21回医療経済実態調査(2017年)を参考にすると歯科診療所の院長の年収は約1,186万円となっており、代診の先生の年収は約606万円になっています。

地元に帰って歯科医院経営をしてみようと考えた場合、人口が少なく、需要が少ない地域であれば代診をしているときよりも圧倒的に低い年収になるでしょう。上記の通り、歯科医院数は過剰であることからホームページによるマーケティング、他院との差別化、院内における患者様満足度アップをしていかなければ患者様が安定して増えていきません。しかもマーケティングはホームページ作成、広告掲載、PPC広告の実施などお金がかかります。

さらに開業には少なくとも5000万円程度の初期投資が必要となります。初期費用の中にはチェアや器具など含まれておりますが、ただ購入するだけではなく、機器をメンテナンスをしながら経営をしていくことになります。

「開業した方が儲かるかも!」と考えている代診の先生は具体的な支出を見れていないケースがとても多いのです。

支出をざっと書き出すとこのような内容があります。
医業収入から下記の内容が差し引かれ、残ったものが院長先生の給与となります。

・スタッフ給与(正社員、アルバイト、パートスタッフの給与)
・賞与(年2回)
・法定福利費 ※社会保険料など
・福利厚生費(忘年会、残業食、ユニフォーム代など)
・水道光熱費(医院の水道代、電気代、ガス代など)
・旅費交通費(電車、バス、タクシーなどの移動費やホテルの宿泊費など)
・通信費(インターネット、電話、FAX、携帯電話、切手代など)
・消耗費(トイレットペーパー、その他、日用品など)
・事務用品費(プリンタインク、文房具など)
・租税公課(印紙代や自動車税など)
・地代家賃(医院の家賃や月極の駐車場代)
・備品消耗品(30万円以下のプリンターなど、資産計上されないモノの費用)
・修繕費(ユニット、医療機器、クーラーやPC、内装などの修理代)
・リース料(医療機器、PC、コピーやプリンターなど)
・減価償却費(設備投資に要した支出をその資産が使用できる期間にわたって費用配分する手続き)
・広告宣伝費(看板代、HP、院内パンフレット、PPCなど)
・接待交際費
・図書研修費(研修の参加費や書籍など)
・支払利息(借入金の利息)

さらに開業をすると借金がつきまといます。仮に5000万を無利子で10年返済したとしても毎年500万円もの金額を支払うことになります。
もちろん無利子ということはありませんので実際の支出はより増えているということです。

どうですか?それでも今の年収よりも多くの金額を維持できそうですか??

経営業務の難易度

今まではただ診療時間に勤務をして、休日は家族との時間を過ごして、また週明けを迎えるという日常が一転します。

そのような時間は一切なくなります。一日でもゆっくりしていると不安になる焦燥感にかられ、休日でも経営のことは頭を離れません。そして自分の銀行口座から毎月減っていく運転資金。後何ヶ月もつかを計算しながら出ていくお金をなるべくセーブしようとして患者様目線ではなく、お金中心の経営視点になってしまいます。

一生懸命「最善の治療」を提供していれば黙っていても患者様が集まってくるという時代は終わりました。

集患のための広告掲載、ホームページ作成、患者様が通いたくなるような院内環境の整備、採用難易度が高い歯科衛生士の確保、就業規則の策定、自費アップのためのセミナー参加、税理士との打ち合わせ、在庫の発注管理などなどやることは盛り沢山です。

プロの相談を活用

開業は簡単ではないからこそ、早い段階で相談することが必要です。歯科医院地域一番実践会では新規開業をご検討されている歯科医師の先生との無料経営相談を年2~3回程度の頻度で組んでおります。
独立したらどうなるか、独立すべきかなどご質問がございましたらご相談ください。2019年はすべて終了しましたので2020年にまた開催をいたします。

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