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みなさん、こんにちは、経営戦略研究所の横山光孝です。
日々、歯科医院にお伺いをして経営課題への取り組みを院長やスタッフのみなさんと打ち合わせしています。
私のお伺いをしている医院さんでは業績を大きく伸ばしています。また業績だけでなく利益を圧倒的に伸ばしている医院さんが数多くあります。
今期も経常利益1億円を超えた医院さんが4医院ありました。
業績を上げる方法はいくつもあり、またその原理原則や手法も確立しています。
その中で自費治療を伸ばしていくということも重要な取り組みの一つです。
ある医院さんでは1か月の自費金額1,280万円から10ヶ月後に3,420万円に上昇したところがあります。
その半年後には4,000万円にまで上昇しています。
これら数値はすべて入金ベースです。
ユニットを増設したわけではありません。またユニットを増設しただけでは自費金額はここまで上昇しません。
毎月毎月200万円から400万円の自費アップをどのように実現したのでしょう。
これは通常のコンサルタントのTC教育では出来ない取り組みなのです。
医院を活性化したり、仕組化するのはコンサルティングの問題発見と問題解決能力をフルに駆使して取り組みます。
この能力はカウンセリングの仕組みを構築したり、カウンセリングスライドや補綴メニューその他のツール作成には必要なスキルです。
カウンセリングには2つのアプローチが必要です
1.問題解決型アプローチ
2.欲求充足型アプローチ
この問題解決というアプローチは患者様の「痛い」という問題を解決するには必要ですが、その解決提案に対する患者様の反応は保険治療ということになることが多いのです。
初診カウンセリングでの問診や今までの治療に対する不満などを聞いて、それを解決するためのヒアリング、またセカンドカウンセリングでの口腔内の現状や今後の治療の方向性などを説明するには「問題解決型アプローチ」でよいです。
その後、自費治療やその患者様にベストな治療を提案して、納得をしてもらうには患者様の問題を解決するアプローチだけでなく、患者様の不安やコンプレックス、また患者様自身でも自覚をしていない欲求を充足するアプローチが必要になります。
これには患者様への鋭敏な共感力や欲求承認力、気づき力が重要となります。
これがないTCの補綴コンサルはきれいなリーフレットを示しながら保険治療の限界、また補綴の材質やメリット、デメリットや保証の有無などの説明に終始します。
加えてコンサルタントの指導では心理学を駆使した返報性の法則やYES Set、ペーシング、ミラーリング、一貫性の法則、社会的権威、理由づけなどのノウハウを加味していくことでしょう。
コンサルタントのTC教育はここ止まりのことが多かったりします。
このノウハウも把握をしておくことは重要ですが、これらに患者様の不安やコンプレックスに対する共感や患者様の欲求を充足させる要素はあまりありません。
このような補綴カウンセリングを受けた患者様の不安は基本的は「治療費」ということになりますので問題解決の回答は「今回は保険治療でお願いします」となります。
自費治療の提案委は承認欲求を満たすことと欲求提案のアプローチが必要です。
そのためには患者様の隠れた欲求を充足することで信頼と感動につなげていくのです。
実は特にこの傾向は矯正治療の提案で顕著に出てきています。
矯正は保険で治療できるケースは少ないので、どれだけ患者様の欲求を充足できるかが重要な基準になっています。
もともと医療は問題解決型アプローチです。
「痛い」という問題、「調子が悪い」という問題、「コンプレックス」という問題を解決して欲しいということで来院してきます。
このような問題を解決することは歯科治療において非常に重要です。ただし問題解決だけでは自費治療の良さは伝わりません。
半面、リゾートホテルやディズニーランドなどは欲求充足型アプローチです。
仕事の問題を解決しようとしてディズニーランドに行く人はあまりいません。
そこではリフレッシュしたい、夢の国で大事な人との時間を満喫したいという欲求を満たすために来園するのでしょう。その欲求を充足できるからこそ感動されます。だからこそ決して安くはない入園料でもリピーターが多いのです。
多くの医院では「補綴コンサル」という用語でカウンセリング業務を呼ぶようになっています。コンサルという言葉に問題解決を提案しようという意図が反映しすぎないようにしていくことが求められます。
TCは本来、患者様に共感をしてベストな治療提案をする「コーディネーター」です。
ぜひ患者様の隠れた欲求へコーディネートしていくカウンセリングを実施してみてください。
上記の医院はその充足度が数値に反映された結果なのです。