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おもしろビジネス心理学のような書籍で(そういうタイトルが実際にあるのか知らないですけど)、よく「ピーク・エンドの法則」が出てきます。
人間は何かの体験をするとき全体の評価をするのが苦手で、評価をするときには何らかの刺激のピーク時(瞬間的な喜びや痛みは覚えられるので)と終了時を手がかりにしてしまうという法則です。
※詳細はこちら。ノーベル経済学賞を取った人の名前が入っていますね。
https://doi.org/10.1037/0096-3445.129.1.27
Schreiber, C. A., & Kahneman, D. (2000). Determinants of the remembered utility of aversive sounds. Journal of Experimental Psychology: General, 129(1), 27–42.
歯科治療の場合、どうしても患者さんにがんばってもらう必要があります。痛みや不快な思いを(ピーク時)減らす努力は必要でしょうが、治療のためには避けられません。となると、患者さんが歯科医院を評価するときには帰り際(エンド時)の経験を手がかりにする可能性があります。
さて私事ですが、「ここ最近、どうも右上奥が(食事のときに)詰まるなぁ」と思っていました。しばらくして、いつもの検診に通う歯科医院で質問してみました。答えは「思いっきり縦に割れてますよ。パキッという音もしなかったです? 普通、痛みが出るレベルですよ?」と言われてしまいました。
もう抜歯ということで、その後の説明をしますとなり、がっつり説明してくれるのかなと期待していたら、「方法は3つあって、インプラントとブリッジと入れ歯です」と始まり、モニタ上で簡単な絵を見ながら説明されました。たぶん2分間。これが一般的なんでしょう。
結局、「じゃあそれで」ということでインプラントを選択しましたが、患者としてTC育成塾に関わる身として、貴重な体験をしました。来年のTC育成塾に活かしたいと思います・・・。
まあ、それはいいんです。しかし、その後がいけなかった。
会計時、受付スタッフはちょっと暗く、事務的で、声も小さい(前回行ったときはよい受付がいたのですが今回は見かけませんでした)。こちら側としては抜歯もしたし、ちょっとへこんでいるわけです。ピーク・エンドの法則的に、やはり最後は患者を気持ちよく帰らせないといけません。
12月は患者が多く、受付も忙しくなります。ピーク時(治療中)にはいつも気を遣っていると思いますが、患者が帰るときの印象を普段どおりによいものになるよう、気をつけてください。またグーグルの口コミも会計時の受付によるフォローでよいものに変えられるかもしれません。