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皆さん、こんにちは!
歯科医院地域一番実践会の萩原直樹です。
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本日は今後の歯科医療に関してお伝えしていきます。
様々なデータを勘案しながら、私の考えも記載しておりますので、こちらの情報はご参考としてご覧ください。
時代の変化
今後、団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となり、完全なる高齢者社会に突入していきます。
また人口減少も急速に進んでいます。
総務省が公表した2020年1月1日時点の住民基本台帳に基づく人口動態調査によると、全国の人口は1億2713万8033人でした。
日本人は前年から50万5046人減少して1億2427万1318人となり、1968年の現行調査開始以来、最大の減少数で、初めて50万超の減少となりました。
実は、日本人人口の減少は2009年から11年連続です。その一方で、外国人は前年比19万9516人増の286万6715人と高い伸びを記録しています。日本全体での外国人住民の割合は2.25%になっています。
米軍基地があるような一部の地域では外国人の患者様も増加しており、通訳を雇い始める歯科医院も出てきております。
高齢化した日本では現役世代1.5人が1人の高齢者を支えることとなります。
ただし、都心部はまだしも、高齢化が進んでいる地域は一気に現役世代がその土地を離れていっています。
以前、総務省が発表している平成28年度のデータでも首都圏エリア以外は過疎化が進んでいることを表しています。
日本歯科医師会発表のデータでは、歯科診療所の患者数は2045年で10.8%と2065年時点で25.2%の減少するとされています。
このデータだけを見ていると患者様の総数は減っていきますが、実は歯科医療や口腔健康管理が必要である高齢者は64.3%いますが、実際に歯科医療を受診している割合は2.4%にとどまっているようです。
今後は通院をしていない、またはできない患者様にいかにアプローチするかが重要になってきます。
訪問歯科のあり方
高齢者人口(65歳以上人口)10万人あたりに対して訪問診療を実施している医院数は全国平均で40医院しかありません。
2025年には、国民の約5人に1人(18.1%)を75歳以上の後期高齢者が占めると推測されます。
歯科治療の需要が虫歯治療から、摂食嚥下障害への対応など口腔機能の維持・回復へと変化していきます。より一層の高齢化が進行する中で、医科医療機関や地域包括支援センター等との連携を図る必要もでてくるでしょう。
もちろん現状では訪問診療ではできる治療範囲も器具などの関係で限定されているかもしれませんが、今後の需要の高まりに向けて環境や器具が変わる可能性も出てきます。
歯科医師一人で成り立っている歯科医院では訪問診療の体制をとることは難しいですが、歯科医師が二人以上いる場合には訪問診療の準備をしておくと良いです。
【実施すること】
・診療室や待合室、受付などの歯科診療所内にポスター掲示
・モニタースライドでの広報
・ホームページでの告知する
・SNSでの告知(インスタ、LINE、フェイスブックなど)
・介護関係機関等へリーフレット等を置かせてもらう
・地区のケアマネージャー等に紹介依頼を行う
訪問診療に必要な機器
必要な器具は下記のようなものがあります。
既存のものでも十分対応できるものもありますが、ポータブルタービンなどは準備が必須になります。
・ポータブルタービン/レントゲン/エンジン
・プローブ
・エクスカベーター
・血圧計
・パルスオキシメーター
・携帯型デンタルユニット
・光CR重合器
・ミラー
・スケーラー
・吸引器
など
必要な準備
新たな患者様にアプローチするよりも既存患者様にアプローチするとよいです。
ご来院いただいていた患者様の中で75歳以上の方をリストアップして、訪問診療を行っていることを伝えましょう。ご家族が既存患者様で通院されている場合にはご家族にパンフレットを渡すといいでしょう。
ある程度の数がリストアップできたら、電話をかけていきましょう。
高齢者で通院が困難な方で多くの患者様が抱えている問題は【入れ歯が噛めない】などの問題です。
訪問診療を始めるための手続きとしては特別な届出はありません。
他、次の届出がなされているか確認されることをお勧めします。
(1)歯科点数表の初診料の注1に規定する施設基準(院内感染防止対策に関する施設基準)
(2)歯科訪問診療料の注13に規定する基準の施設基準に係る届出
(3)生活保護法及び中国残留邦人等支援法の指定申請
・生活保護法及び中国残留邦人等支援法指定医療機関指定申請
・生活保護法及び中国残留邦人等支援法指定介護機関指定申請
さらに、次の届出をおこなっておくと診療報酬に関連する加算を算定できます。
(4)在宅療養支援歯科診療所の施設基準に係る届出
(5)かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所の施設基準に係る届出
(6)在宅歯科医療推進加算の施設基準に係る届出
(7)歯科訪問診療料の地域医療連携体制加算の施設基準に係る届出
(8)歯科疾患在宅療養管理料の注4に規定する在宅総合医療管理加算及び在宅患者歯科治療総合医療管理料の施設基準に係る届出
まとめ
今後通院困難な患者様が増えていくことでしょう。今までは往診を行っていたと思いますが、今後は訪問診療に切り替わっていきます。
「往診」と「訪問診療」の違いは前者は突発的、後者は計画的・継続的であることを示します。
※訪問診療で保険算定できるエリアは歯科医院から半径16km以内と決められています。16kmを超えた場合には、保険診療とはならず、自費治療となりますのでご注意ください。
私達のクライアントでも多くの歯科医院が訪問診療部門を作り始めています。
未来が見えている中で皆さんの歯科医院はどのように行動しますか?
マンパワーなどとの兼ね合いも見ながら対応を検討してみてください。
次回は2040年に向けた歯科医療の方向性に関してお伝えいたします。