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皆さん、こんにちは。歯科医院地域一番実践会 地域一番化マスター 岩渕龍正です。
歯科医院経営を勉強されてる院長先生であれば、株式会社武蔵野の小山昇さんをご存じの方が多いと思います。
もちろん、私も経営コンサルタントである以上、これまで何冊も小山さんの著書を読ませていただきました。
ちなみに、弊社の評価制度は私が全部、ゼロから作り上げたものなのですが、その際には、かなり小山さんの書籍から多くを学ばせていただき、取り入れさせていただきました。
私は同業になってしまうので、小山さんのセミナーなどに参加することはできませんでしたが、小山さんの経営手法には素晴らしいものがたくさんあり、今でも学ぶべきところが山のようにあると思います。
歯科医院であっても、小山昇さんの書籍やセミナーから数多くのことが学べるのではないかと思います。
しかし、今回、知床遊覧船の沈没事故の件で、小山昇さんおよび、株式会社武蔵野の経営サポート事業は窮地に立たされてるのではないかと思います。
この度の知床半島観光船海難事故について、亡くなられた方々のご冥福をお祈り申しあげます。
もちろん、私は詳細は知りません。しかし、現時点では、知床遊覧船の沈没事故はさも、武蔵野の小山さんがコンサルしたせいだという風潮で炎上してしまっております。
私が調べた範囲では、以下のような経緯だそうです。
(以下、株式会社武蔵野HPより引用)
・知床遊覧船買収について
当該記事執筆時点、あるいは私、小山の知床訪問時点では、あくまでも事業(遊覧船)引き継ぎ(買収)に当たっての総合的な経営判断の観点からのアドバイスをさせていただきました。
買収に踏み切るのであれば、安全面を考慮すると、人員、桟橋、待機場所含めて買わないといけないと助言をしました。
その際には、価格を安く買うのでなく、提示された価格で買いなさいと助言をしたものです。それについては納得していただいたと認識しております。
・従業員の解雇について
従業員の解雇についての相談は受けておりませんので、事実経過については把握しておりません。
(ここまで)
ネットで調べても、上記以上の情報は出てきません。
つまり、現段階でハッキリしているのは、
・知床遊覧船の買収に当たり、小山さんはアドバイスをしたけれど、値切ったりするのではなく、提示された金額で買いなさいと言った
・従業員の解雇について相談は受けていない
ということです。
しかし、経営の素人である桂田社長(素人とは、小山さんが言っている言葉です)が小山さんの言うとおりにしたら、黒字化した(と小山さんが書いています)。
ということは、小山さんがコスト削減のアドバイスもして、言うことを聞かない以前からの従業員を解雇したのではないか?
安全性よりも効率やコストを小山さんが優先させたのではないか?
ということなのですが、どこにも、そのような情報がないにもかかわらず、そのような推定無罪など関係なく、経営コンサルタントというだけで誹謗中傷するのは、言論の自由なのでしょうか?
非常に疑問です。
「教師」というだけで、素晴らしい先生も大勢いるにもかかわらず、「生徒にわいせつな行為をしている」「いじめがあっても、生徒ではなく学校を守ることしか考えてない」と断罪するのと同じようなことではないでしょうか?そういう人が一部にいるからといって、その証拠がないにもかかわらず、その人にも勝手に当てはめて、誹謗中傷するのは罪ではないのでしょうか?
非常に疑問でしょうがありません。
経営コンサルタントがいくら黒子とはいっても、これはあまりにヒドイのではないでしょうか?
しかし、これが世の中の経営コンサルタントに対するステレオタイプなイメージだということなのだと思います。
今後、私たち一人一人の経営コンサルタントが素晴らしい仕事をすることで、変えて行ければと思います。
というのは、前置きで、本題は小山さんの経営手法についてです。
今回、このように小山さんがやってもいない問題で炎上してしまったのは、小山さんの経営手法が時代に合わなくなってきたからではないかと思うのです。
特に、一番、分かりやすいのが「環境整備」という名の掃除です。
始業時間前に会社や周辺の掃除をするという物なのですが、これを強制はしてないのですが、ほぼ強制しています。
そして、それが個人や事業所の評価にも影響します。
それ以外にも、始業時間前の勉強会も非常に重要視されています。
これらについては、私は本来であれば、やったほうが良いことであると思います。
仕事として、スキルを上げる、意識を上げるためには、有効な経営手法だと思います。
しかし、これらについて私が労務についての意識が高まっていた今から8年ぐらい前に労務専門の弁護士に以下のように聞いてみました。
私「この武蔵野の小山さんが提唱している環境整備とかは労務的にはどうなんですか?」
労務専門弁護士「ダメに決まってるじゃないですか?完全にブラックですよ!もう、これからの時代には全く合わないと思います」
私「そうなんですね・・・」
このような話もあり、弊社では、創業当初から環境整備のような掃除に力を入れることは一切していませんでした。
それは今、考えると正解だったのかもしれません。何が正解なのかは時代によって変わるので非常に難しいところではありますが。
そうなのです。
株式会社武蔵野の小山昇さんが提唱している経営手法の大半が今の労務から考えると、大半が残業代を支払わなければいけなくなり、支払っていたとしてもブラック扱い、支払わなければ更にブラック扱いされてしまうのです。
そんなブラックなことを提案するコンサルタントなんだから、絶対、安全性よりも利益を優先しているに違いない。
そんな文脈で解釈されてしまってるのではないかと思います。
このように時代がこの8年ぐらいで大きく変わってしまった中で、小山さんの提案する手法は終始変わることがなかったことが大きな問題だったのかもしれません。
私も最近は小山さんについて勉強が足りないので、違ってる部分がありましたら、修正いたします。
今回の件からも、経営は時代の変化に合わせていくことがかなり重要であることを再度、痛感しました。
コロナ期間中には、コロナに対応した経営に適応し、
コロナが落ち着いたら、コロナ収束後の経営にいかに適応していくか、そのスピードと適応度合いが大きく成果を分けるのだと今回の件でも、痛感しました。
皆さんは、今回の件から、どのようなことを学びましたでしょうか?