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こんにちは!
歯科医院地域一番実践会の萩原直樹です。
私は様々な歯科医院を見ていく中で組織の壁を痛感しています。
これは歯科医院だけでなくどの企業においても起きることですので、組織を創る方であれば誰でも知っておいた方が良いでしょう。
組織には「人の壁」という成長の障害が存在します。
歯科医院が成長し、スタッフの数が増えると、10人、20人、30人の壁という異なる段階で経営や運営における課題が出てきます。
各段階を紹介していきます。
10人の壁: 歯科医院の初期段階
最初の10人の壁では、院長が直接全てのスタッフを管理し、また患者さんへのケアも行います。しかし、スタッフが増えると、院長一人ではスタッフの管理や患者さんへの質の高いケアを維持するのが難しくなります。
管理者一人でのマネジメントの限界は5~8人程度とされていますので、この段階で崩壊することもあります。
対策としては
– 役割の明確化:
受付、歯科衛生士、助手などの職種お役割を明確にし、それぞれの業務内容を定義します。
– 連絡網の整備:
情報の共有を円滑にするために、スタッフ間の連絡網をしっかりと構築します。
– マニュアルの作成:
治療の手順、患者さんとの接し方、清掃の方法などをマニュアル化し、全員が同じ基準で仕事を進められるようにします。
20人の壁: 専門分野の明確化
20人規模になると、歯科医院ではより専門性の高い役割が求められるようになります。例えば、インプラントや矯正といった専門の治療に対応する人材や、管理部門の専門スタッフが必要になります。このあたりから技術においてもしっかりと研修を行い、スタッフ育成するためのコース設定ができると良いです。
対策としては
– プロジェクトの設置:
治療・予防、イベント、スタッフ満足度UPなどのプロジェクトを作り、それぞれにリーダーを置きます。
– 教育と研修:
スタッフのスキルアップを図るために、定期的な教育や外部研修を行います。
– コミュニケーションの場の確保:
定例ミーティングを設け、異なる部門のスタッフが情報交換を行い、連携を取れるようにします。
30人の壁: 組織と文化の確立
30人規模の歯科医院になると、個々の業務を超えた組織運営や文化の確立が求められます。スタッフの中には、管理職やリーダーとしての役割を果たす人も出てきます。
対策としては
– システムの導入:
患者情報管理システムや業務管理システムを導入し、効率的な運営を実現します。
– 職場の環境作り:
スタッフ全員が意見を出しやすい、オープンで協力的な職場環境を作ります。定期的な全体ミーティングに加えて職種間・プロジェクトミーティングも重要になってきます。
– 医院文化の醸成:
医院としてのあり方や考え方を共有し、スタッフ全員が一丸となって医院の理念に基づいたケアを提供するよう努めます。
これらの壁を乗り越えるためには、歯科医院のリーダーたる院長が、組織としての運営について、より一層の理解と実践が求められます。
コミュニケーションの工夫
30人規模になると、スタッフ個人個人と院長が直接コミュニケーションを取るのが難しくなります。そのため、コミュニケーションの工夫が不可欠です。
対策としては
– 小グループでのミーティング:
大人数でのミーティングでは情報が行き届かないことがあるので、小グループでのミーティングを定期的に行い、各スタッフの意見や懸念を拾い上げます。
– 中間管理職の強化:
部門リーダーや管理職がスタッフと院長の橋渡し役となり、情報の伝達や意見の集約を行います。
– 非公式なコミュニケーションの場の提供:
業務外の交流を通じて、スタッフ同士の関係を深め、コミュニケーションを活性化させます。
人材の育成と定着
医院が大きくなると人材の流動性も高まるため、優秀な人材を育成し、定着させることがさらに重要になります。
対策としては
– キャリアパスの提供:
スタッフが成長できる道筋を示し、長期的に働ける環境を整えます。
– 評価とフィードバック:
定期的な評価を行い、その結果をフィードバックして、スタッフが自己成長できるよう支援します。
– 福利厚生の充実:
働きがいのある環境作りを目指し、福利厚生を充実させ、スタッフが長く働きたいと思える職場を作ります。時短や有給消化サポートも今後のポイントになると思います。
最終的に、歯科医院がこれらの壁を乗り越えていくためには、院長のリーダーシップ、明確なビジョンの共有、そしてスタッフ一人ひとりの能力と貢献を最大限に活かす組織運営が不可欠です。
歯科医院は成長の壁を乗り越え、患者さんにとっても、働くスタッフにとっても魅力的な場所となる必要があります。
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