歯科医院経営における成長の鍵「型どおりにやる」

スタッフ教育

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実践会ブログを御覧の皆さん、

こんにち(ばん)は。歯科医院地域一番実践会の染谷です。

時期的に、新卒スタッフ、歯科医師を受け入れる医院も多いかなと思います。
そこで、入職にあたり、こういう話ができたほうがいいんじゃない?的な話をしたためます。
先日とある医院さんの院内のミーティングで話した内容になりますが、
こうやって文章化してみると、意外といいこと言ってるなと思ったり思わなかったり。

はじめに

早速ですが、みなさんは、「守破離(しゅ・は・り)」という言葉をご存知ですか?
守破離は、もともと茶道、華道、武芸など道を極めていく(こう書くととある稼業っぽいですね)方にとっての一種の成長ステップみたいなもんです。

弊社セミナーでもこの守破離を伝えることがあるのですが、
歯科医療の世界でも重要な概念だなとおもっており、医療技術や治療方法の習得過程でも使えると思います。

この概念は、歯科医師、スタッフさんが患者さんに最高の治療を提供するため、成長していくための重要なステップを3つのフェーズに分けています。

守:師匠や先輩から学んだ治療方法や医療技術を忠実に守り、正確に身に付ける段階です。

破:他の歯科医師や医療機関での新しい治療方法を学び、良いものを取り入れ、既存の治療技術を発展させる段階です。

離:学んだ技術や方法から一歩踏み出し、独自の新しい治療方法を生み出し、確立させる段階です。

成長に貪欲な人ほどハマる罠

成長意欲の高い歯科医師、スタッフさんほど気を付けるべき点は、多くの治療法や技術を学んで、それを「自分なりの治療法」で実践しようとすることです。

創意工夫することは大切ですが、基本的な「型」をしっかり身につける前に「自己流」に走ってしまうと、初期の成長はある程度みえるものの、その後の成長が止まってしまう傾向があるような気がします。

多くの歯科界のリーダーたちも、「急がば回れ」の精神でしっかりと地に足をつけ治療を積み重ねたことだとおもいます。
そのような技術力の高い先生ほど守破離のステップを大切にしているように感じますし、まずは「守=基本の型」を徹底的に身に付けることに注力しています。

守破離は「凡人」にこそ有効な成長方法

ここで質問です。
「あなたは天才ですか?」

 

これまでコンサルティングで見てきた方で天才は一人も見たことありません。
どんなに有名な先生でもです。よくて秀才。

こういう例外的な「天才」と呼ばれるような特別な才能を持つ人物には、守破離はむしろ足かせになります。
天才たちは、まさにその名の通り、天賦の才を持って生まれ、伝統的な「師匠」から学ぶ「型」という概念が彼らにとっては不要です。

ジョブス、イーロン、ゲイツ、この人たちは変に型を学ばなかったからこその天才なんです。

しかし、歯科医師、スタッフさんの大多数は凡人。
凡人にとって守破離は、成長を促す強力な方程式です。
この方法は、誰もが時間をかけて努力すれば習得可能で、そのアプローチの汎用性と再現性の高さが重要なんです。

このプロセスの初歩、「守」すなわち基本の「型」を習得することは、歯科医療においても、それこそ弊社のようなコンサル会社においても非常に重要です。

基本の技術や知識をしっかりと身につけることで、安定した治療を提供できる土台を築くことができます。
そして、この「型」をマスターした後に初めて、次のステップである「破」と「離」が有効に機能します。

型とは何か?

ほな、「型」とはなんじゃい?というと、私は先人たちや組織全体の「集合知」を指すと思っています。

誰もが共通で利用しやすく洗練された方法やプロセスを示します。
これは、歯科治療の基本的な手順や治療方針などに適用される概念であり、汎用性が高いため、完璧を目指すよりも、安定して良好な結果を出すことを目標としたほうがいいですよ、とお伝えしています。

「完全にバッチリ」ではなく、「だいたい70点程度」を目指せばよくて、全ての人が高い基準を満たすことを期待するものではありません。

したがって、「型」が時に完全にしっくりこない、あるいは完全に納得がいかない場合もあると理解することが大切です。
型を身につける過程では、その完璧さよりも、基本をしっかり理解し、実践することが重要です。

ここで100点を取りに行くマニュアルを整備すると大体マネジメント状態が荒れます。

型を会得するための実践方法

  1. 型を「正しく」インプットする:
    型を学ぶ際の最初のステップは、その型を正確に理解することです。型がなぜそのような形になったのか、その使用するべき場面、背景と目的、そして型が存在する理由を深く理解する必要があります。この理解を深めることで、型をより正確に実践することが可能になります。
  2. 理解への努力:
    型の本質やその背後にあるロジックを、表面的ではなく深く理解することが求められます。単に「わかったような気になる」のではなく、実際にその型の深い意味を掴み、それを自分のものとすることに努力を注ぐことが重要です。

型の会得は、実践を通じて徐々に「体で腹落ち」させるプロセスだろうなと思っています。
これは、ただ知識を頭で理解するだけでなく、実際の治療の中で何度もその型を用いることにより、自然と身につけることができるものです。そのため、型を学ぶ際は、患者さんへの施術など、習ったことを実際の治療現場で積極的に活用していく姿勢が求められます。

強くお伝えしたいのは、「型通りにやる」ということです。
中には、独自の説明でやりたがる人もいるのです。オリジナリティを加えたくなる気持ちがわからんでも無いです。ですが、それは成長の次の段階である「破」で行うべきことです。

型を「徹底的に」反復する

治療技術や診断方法を「息をするように」自然に実践できるまで、何度も繰り返し行うことが重要です。このレベルに達すると、診療の際に自然と適切な技術を適用できるようになります。

私がお伺いしている医院さんで伝えている、前頭葉前頭前野で扁桃体を包み込む作業です。

型の「バラエティ」を増やす

使用できる技術や方法の範囲を広げていくことで、より多様な症例に対応できるようになります。これにより、各患者さんの状態に最も適した治療を選択し、型の効果を最大化することが可能になります。

型を「組み合わせて」使う

多くの治療技術や診断方法をマスターすることで、特定の症例に対して複数の技術を組み合わせて適用することが可能になります。

これは、型を応用し、患者さん一人ひとりにカスタマイズされた治療を提供することを意味します。型通りでありながらも、各患者さんの具体的な状況やニーズに合わせた治療計画を立てることが、最高の医療サービスを提供する上での鍵となります。

このプロセスを通じて、技術や知識を深化させ、患者さんに対してより高度な治療を提供することができるようになります。

また、これらのステップは、自己成長にも大きく寄与し、医療提供者としての自信と満足感を高めることにもつながります。

以上、概念的なことを書いてきましたが、この意識は既存スタッフ、院長にもめちゃくちゃ重要。
教わる側、教える側双方の前提、共通認識として持てると更に教育が加速するはずです。
そのためにもマニュアルの整備も重要になってまいります。
まだまだ教育整備が整っていない医院さんは、診療報酬の改定のある2024年度のテーマを「教育」にされるのもいいかもしれませんね!

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