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皆さん、こんにちは。
歯科医院地域一番実践会 コンサルタントの山本峻士です。
今回は
これから賃上げできない歯科医院は益々淘汰されていく時代
というテーマでお伝えしていきたいと思います。
多くの院長先生から
「これからの歯科業界はどうなっていくんですかね?」
と質問されることがよくあります。
これに関しては様々な見方がありますから、
1つの答えがあるわけではありませんが、
最近共通してお伝えしているのが、
「ここから2-3年は、いかに賃上げできるかどうかが大きなカギである」
とお伝えしております。
現在日本ではおおよそ7000万人の方が就労しておりますが、
2050年には5000万人となり、今の人数のおよそ2/3の数となるといわれております。
今まで以上にどの業界も深刻な人材不足となっていくわけです。
歯科業界も人材不足ではありますが、
はっきり言って、他業界よりまだまだ恵まれております。
他業界で言えば、飲食業界やホテル業界では、歯科業界以上に深刻な人材不足となり、
全国のビジネスホテルの平均稼働率はおおよそ70%と言われております。
これはどういったことかというと、
本来部屋数が100部屋あり、予約をしたいという顧客がいたとしても
70部屋の予約で「満室」となっていることが多いということです。
それは清掃スタッフが足らず、目先の売り上げよりも
顧客満足度の低下を懸念した判断を行っていることが多いという要因があるからなのです。
歯科医院で言えば、本来ユニットが5台あるにも関わらず、
スタッフ不足が原因で4台しか稼働していないということと同じです。
おそらくそのような歯科医院さんもあるのではないでしょうか。
こういったケースが益々増える可能性が高いということです。
多くの医院さんでは採用強化などを行っており、
中長期的な人材不足の対策を行っていることが多いと思いますが、
根本的な一番の対策は
「賃上げ」
であり、ここの対策を行わなければ、
ますます人材が流入することなく、流出する危険性が高くなることを忘れてはいけません。
大手企業では、すでに平均5%のベースアップを達成しております。
5%というのは、例えば年収500万円の従業員に対して、
1年間で25万円ものベースアップをすべての従業員に行っているということです。
たしかにここまでのベースアップができるのは、
大企業のように、潤沢な内部留保があるからです。
一方、歯科医院を含めた中小企業では、平均3%にも満たないベースアップに留まっております。
これは、ますます人材が大手企業などのに移る可能性が高いということです。
「うちは大手企業じゃないし、そこまでするのは無理でしょう」
と仰られる先生方も多いことと思います。
もちろん条件面で大手企業に勝つのは相当に難しいことと思います。
ただし、あまりにも条件面でかけ離れてしまうと、
今後より優秀な人材確保が難しくなることもまた事実です。
この現実に目を背けてはいけないと、私が感じております。
では、そのためにはどうしたらよいのか、
それは
「高利益体質の医院つくり」
しかありません。
いかに利益率を上げる対策ができるか、
ここをしっかりと見据えて、医院目標や方向性を明確にしておりますでしょうか。
もちろん医業ですから、何でもかんでも売上や利益に走るのがすべてではありません。
ですが、医療と言っても我々が行っているのは、
ボランティアではありません。
従業員や地域貢献の為にも、
安定した利益の確保は今後ますます必須である、
ということを忘れてはいけないと思います。
その為にも、インプラントや矯正治療が行える歯科医院つくりは必須であり、
数年かかったとしてもしっかりとした技術習得を行う必要があると思います。
そしてこれから開業を目指している勤務Dr.の皆様は、
出来る限り開業前にそういった技術を体得した上で、
開業すれば、失敗リスクを大きく軽減することが出来ます。
また闇雲に賃上げすればよいというわけではありません。
しっかりとスタッフにも、
「自分自身の付加価値を高めていくことの重要性」
「そのためにも自分のスキルをどう高めていくかという目標設定」
などもお伝えし、1人1人の成長を促すことも忘れてはいけません。
これからの時代は、きっと今までの時代とは全く異なる世界になっていきます。
その現実に目を背けず、歯科経営を行う、
そして何よりも賃上げできる利益を確保することが大きなポイントであることを、
忘れてはいけないと思います。