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実践会ブログを御覧の皆さん、
こんにち(ばん)は。歯科医院地域一番実践会の染谷です。
12月に入り、一気に寒くなってきましたね。
と同時に街にはイルミネーション。イルミネーションを見るとなぜかさみしい気持ちになるのは私だけでしょうか?
そんなさみしい気持ちの時は、仕事をしていてもちょっと心が荒むといいますか、何と言いますか。。
そんなとき、スタッフや後輩のちょっとしたミスでイライラしてブワーって言っちゃうことないですか?
言ってる本人、言われている当人以外にも、それを聞いている同僚もなんか辛い。
ま、しゃあない時もあるんですが、そうじゃないときもある。
そんな話をしたいと思います。
最近、クライアントの先生から、このブログで染谷の経済動向と未来予測みたいなのをしてほしいというお声をいただきます。
面倒なので、しません。
人を責めるのではなく、システムを見直そう
では、本題に。
歯科医院の日々の業務において、スタッフのミスや患者さんとのトラブルは避けて通れないもの。
忙しい診療の現場では、どうしても「誰が間違えたのか」と責任を追及したくなる瞬間があるかもしれないし、現によく犯人探しが行われいてる。
しかし、問題を本質的に解決し、より良い医院運営を目指すためには、個人を責めるのではなく、システムや仕組みを見直すことが重要です。
スタッフ一人ひとりの能力や努力には限界がありますが、適切に設計された仕組みはミスを防ぎ、トラブルを未然に防ぐ強力な武器となります。
私がお伺いさせていただいている医院さんではミスを「資産」と呼んでいることが多いかと。
例えば、予約の取り間違いや重複が発生した場合、それは個人の不注意だけが原因ではなく、予約管理システムやフローに問題がある可能性がある。
(まだまだ結構多いのが紙管理!勤務医時代に紙アポだったので、そのままの仕組みで開業している先生も結構いたりするんですよね。)
紙管理ではヒューマンエラーが起きやすいですが、デジタル予約システムを導入すれば、そうしたエラーは大幅に減少します。
同様に、治療内容の説明不足が原因で患者さんとのトラブルが起きた場合も、説明を補助するための資料やテンプレートがあればスタッフの負担が減り、患者さんにも一貫性のある情報を提供できます。
また、スタッフさんがミスを犯した場合、その背景には「忙しすぎる」「教育が不十分」「業務手順が分かりにくい」といったシステム的な問題が隠れていることが少なくありません。
てか、ほとんどその三つが絡み合っています。
例えば、新人スタッフがベテランと同じレベルのパフォーマンスを求められる場合、適切な教育体制やマニュアルがなければ、どうしてもミスが増えてしまいます。
このような場合、システムを見直すことで、新人でも一定の基準で業務をこなせるようになります。
さらに、ミスが起きた際に個人を責める文化があると、スタッフは責任を恐れて問題を隠したり、報告をためらうようになります。
これでは問題が深刻化し、医院全体に悪影響を及ぼすことになりかねません。
一方で、システムの改善に焦点を当てるアプローチを取れば、スタッフは安心して働ける環境が整い、結果的にミスやトラブルの減少につながります。
重要なのは、問題が発生した際に「なぜそのミスが起きたのか」「どうすれば再発を防げるのか」を冷静に分析することです。
その結果としてシステムが改善されれば、医院全体の運営がスムーズになり、スタッフも患者さんも安心して診療に関わることができます。
このような仕組みの見直しこそが、医院の成長と信頼の基盤を築くカギなのです。
なぜ人ではなくシステムを見直すべきなのか?
歯科医院の運営において、問題が発生したときに人を責めることは一時的な解決にはなるかもしれませんが、根本的な改善にはつながりません。
むしろ、問題を引き起こした背景にはどのようなシステム的な要因があるのかを見極め、改善することが、医院全体の成長やトラブルの再発防止につながります。
以下では、具体的に「スタッフの負担軽減」「トラブルの再発防止」「スタッフの士気向上」の観点から、システムの見直しの重要性を解説します。
スタッフの負担軽減
歯科医院の現場では、特に忙しい時間帯にミスやトラブルが発生しやすくなります。その背景には、次のような問題が潜んでいることが少なくありません。
- 毎日めっちゃ大変問題
スタッフが常に忙しい状態では、細かい作業への集中力が低下し、ヒューマンエラーのリスクが高まります。たとえば、受付業務で予約の重複が発生するのは、手作業の管理に頼りすぎている場合が多いです。こうした問題を解消するには、予約管理システムは必須です。 - 業務内容が不明確
「どの業務を誰が担当するのか」が曖昧だと、スタッフ間での連携不足や業務の抜け漏れが生じます。このような状況では、個人の責任が問われるのではなく、役割分担が明確化されていないシステムの問題として捉えるべきです。業務フローを再構築し、タスクを明確化することで負担を軽減できます。 - 教育の不十分さ
新人スタッフが必要な知識やスキルを十分に習得しないまま現場に出されると、業務の進行に支障をきたします。この場合、教育プログラムやマニュアルの整備が不十分であることが原因です。オンラインマニュアルや段階的な研修プログラムを導入すれば、スタッフの負担を減らし、ミスを未然に防ぐことが可能です。
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トラブルの再発防止
問題が発生した際、人を責めるだけでは、同じ問題が再び起こる可能性が高いです。
一方で、システムを改善すれば、トラブルの根本原因を取り除き、再発を防ぐことができます。
- 再発リスクを分析する重要性
たとえば、治療内容の説明不足が原因で患者さんとのトラブルが発生した場合、スタッフの説明能力に依存していることが問題の一因かもしれません。
この場合、説明用のテンプレートや資料を用意し、患者さんへの説明プロセスを標準化すれば、同じ問題の再発を防ぐことができます。
弊社コンサルタントは、すべてコンサルティングフィーの中で作成をいたします。ご参考:
月次経営コンサルティング:https://www.consuldent.jp/consulting/teiki-shien.htmlちょっとテンプレート、資料とは違いますが、医院パンフの作成も行っています。
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トラブルが起きた際、改善策を単発で終わらせるのではなく、継続的な見直しが必要です。例えば、予約システムを導入した後も、患者さんやスタッフからのフィードバックを反映し、システムをアップデートすることで、さらなる最適化が可能です。患者さんへの説明も同様で。良い言い回しなど、院内で共有する仕組みなど、とにかくPDCAを回すことが重要になります。 - エラーを起こしにくい環境作り
人間はミスを完全には防げませんが、システムを工夫することでミスを最小限に抑えることができます。たとえば、金額が大きい場合、アポを半日切らないといけないなどの場合はダブルチェックのステップを設ける、デジタルツールで作業を自動化するなどの仕組みは、再発リスクを大幅に低減します。
スタッフの士気向上
問題が発生した際に個人を責めると、スタッフの士気が低下し、結果として医院全体の運営に悪影響を及ぼします。
一方、システム改善を優先することで、前向きな文化を築き、チーム全体の士気を向上させることができます。
この先にあるのが心理的安全性の高い組織だと思います。
- 責任追及から学びの文化へ
問題を責めるよりも「何を改善すべきか」に焦点を当てると、スタッフはミスを恐れるのではなく、学びのチャンスとして捉えられるようになります。これにより、医院全体が「成長志向」の文化を持つようになり、スタッフ間の協力体制も強化されます。 - 離職率の低下
個人の責任ばかりが問われる職場では、ストレスが蓄積し、離職率が高まるリスクがあります。しかし、システムが整備されていれば、スタッフは業務に集中しやすく、働きやすい環境が整います。結果として、離職率の低下につながります。 - チームワークの強化
システム改善により、スタッフ全員が安心して働ける環境を作ることは、チーム全体の士気向上につながります。例えば、ミーティングで全員の意見を反映しながら改善策を検討することで、一体感が生まれ、モチベーションの向上が期待できます。
歯科医院で見直すべきシステムの例
歯科医院の運営をスムーズに進め、患者さんへのサービス向上を実現するためには、現行のシステムや仕組みを定期的に見直すことが欠かせません。特に「予約システム」「業務マニュアルの整備」「患者さんへの説明プロセス」「コミュニケーション体制」は、医院の運営において重要な役割を果たします。それぞれの項目について、改善の必要性と具体的な見直しのポイントを詳しく解説します。
1. 業務マニュアルの整備
新人スタッフが業務に戸惑い、スムーズに働けない場合、業務マニュアルの整備が不十分である可能性があります。業務マニュアルは、スタッフの教育プロセスを効率化し、業務の質を均一化するために欠かせません。
- 新人スタッフの不安軽減
マニュアルがない場合、スタッフは業務を個別に学ぶ必要があり、指導する側の負担も大きくなります。オンラインマニュアルやチェックリストを導入すれば、業務手順を明確化し、新人でも簡単に理解できる環境を作ることが可能です。 - 業務の一貫性の確保
ベテランスタッフと新人スタッフで対応方法が異なると、患者さんが混乱する可能性があります。統一されたマニュアルは、患者さんへの対応を一貫させ、医院全体の信頼感を高めます。 - デジタル化の活用
紙ベースのマニュアルではなく、オンラインで常に更新可能なデジタルマニュアルを活用することで、最新の情報を全スタッフが簡単に共有できます。動画や画像を取り入れることで、視覚的にも分かりやすいマニュアルが作成できます。
2. 患者さんへの説明プロセス
患者さんとのトラブルの多くは、治療内容の説明不足が原因です。この問題を防ぐためには、患者さんへの説明プロセスを標準化し、分かりやすくする工夫が必要です。
- 説明資料の準備
患者さんが納得して治療を受けるためには、治療内容や費用、期間などを明確に説明する必要があります。テンプレートや資料をあらかじめ用意し、スタッフがそれに基づいて説明することで、情報の一貫性を保つことができます。 - 治療計画書の導入
曖昧な説明ではなく、患者さん専用の治療計画書を作成し、口頭での説明に加えて書面でも提供することで、患者さんの不安を軽減できます。 - デジタルツールの活用
タブレットやモニターを活用して治療の流れを視覚的に説明すれば、患者さんの理解度が向上します。特に小児や高齢患者にとって、視覚的な情報は大きな助けとなります。
患者さんへの説明については、これ以外にないでしょう。
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4. コミュニケーション体制の見直し
スタッフ間や患者さんとのコミュニケーション不足は、業務の非効率やトラブルの原因となります。この問題を解決するためには、以下のような改善が必要です。
- スタッフ間の連携強化
定期的なミーティングやカンファレンスを実施し、スタッフ全員が現在の状況を把握できる体制を作りましょう。これにより、チーム全体の一体感が高まり、患者さんへの対応もスムーズになります。 - 情報共有ツールの導入
デジタルツール(例:SlackやTrelloなど)を活用すれば、スタッフ間の情報共有がリアルタイムで行えるようになります。患者さんの状態や特別なリクエストなどを共有することで、ミスを防ぎ、質の高いサービスを提供できます。私がうかがっている医院さんでは最近はかなりTrelloを使うようになってきています。
プロジェクト管理なんかもとてもしやすいです。 - 患者さんとのコミュニケーション改善
患者さんへのリマインダーメールやフォローアップの電話などを取り入れることで、患者さんの満足度が向上します。さらに、治療後のアンケートを実施し、患者さんの声を反映した改善を進めることで、より良い医院運営が可能になります。
具体的な改善プロセス
歯科医院の運営において、問題が発生した際には、迅速かつ効果的に改善を図ることが重要です。ただし、場当たり的な対処ではなく、根本的な原因を分析し、適切なプロセスを通じて改善を進める必要があります。以下では、「問題の分析」「根本原因の特定」「改善案の実施」「フォローアップ」という4つのステップに分けて、具体的な改善プロセスを詳しく解説します。
染谷のクライアント医院さんだと、問題解決の地図という名前でおなじみですが。
院内ミーティングでやっている川から赤ちゃんがドンブラコのやつです。
1. 問題の分析
改善プロセスの第一歩は、問題を正確に理解することです。表面的なミスやトラブルだけを見るのではなく、問題の背景や関連要素を深掘りする必要があります。
- ヒアリングの実施
問題が発生した際、スタッフ全員からのヒアリングを行い、現場の声を集めることが重要です。この際、感情論や個人への責任追及を避け、事実ベースで情報を収集します。たとえば、「なぜこのミスが起きたのか」「他のスタッフは同じような状況を経験しているか」など、具体的な質問を通じて状況を把握します。 - データの活用
問題の頻度や傾向を把握するために、業務記録やデジタルデータを活用します。たとえば、予約の重複が頻発している場合、過去の予約履歴を分析し、特定の時間帯や手順に問題が集中しているかを確認します。 - 関連要素の特定
問題が単独の原因で起きている場合は少なく、複数の要因が絡み合っていることが一般的です。ヒアリングとデータ分析を通じて、業務フローやツール、スタッフの教育体制など、関連する要素を洗い出します。
2. 根本原因の特定
問題の背景にある根本原因を特定することが、改善プロセスの中核となります。表面的な解決策では、同じ問題が再発する可能性が高いため、原因の深掘りが欠かせません。
- 業務フローの見直し
問題が発生したプロセスを詳細に見直し、どこに欠陥があるのかを明らかにします。たとえば、予約システムのミスが頻発する場合、入力手順や確認のステップが省略されている可能性があります。 - ルールやマニュアルの確認
業務ルールが不明確であることが原因の場合、特定の業務が属人的に進められているケースが多いです。ルールが現場の状況に合っていない、またはスタッフに共有されていない場合は、見直しが必要です。 - スタッフのスキルや知識の確認
問題が発生したスタッフのスキルや知識が不足している場合、教育体制の欠陥が根本原因である可能性があります。この場合、新しいスタッフ教育プログラムの設計が求められます。
3. 改善案の実施
根本原因を特定した後は、改善案を設計し、実行に移します。この際、全スタッフが改善案を理解し、協力できるようにすることが成功の鍵となります。
- 全員への共有
改善案をスタッフ全員に共有し、なぜその変更が必要なのかを明確に説明します。具体的な背景と期待される効果を伝えることで、スタッフの納得感と協力を得ることができます。 - 段階的な導入
新しいシステムやルールを一度に導入すると混乱を招く可能性があります。たとえば、予約管理システムを見直す場合、まず特定の曜日や時間帯で試験運用を行い、徐々に全体へ拡大する方法が効果的です。 - 教育とトレーニングの実施
新しいプロセスを導入する際には、全スタッフがそれを適切に運用できるよう、教育とトレーニングを実施します。具体的な手順を示すマニュアルや研修会を設けることで、スムーズな移行をサポートします。
4. フォローアップ
改善案を実施した後も、そこで終わりではありません。新しいシステムが現場に適合しているかを確認し、必要に応じて調整を行います。
てか、これをしないので、結局ダメだったよね。で何も前に進まず、すたれていきます。
- 定期的なレビュー
導入後1ヶ月や3ヶ月といったタイミングでレビューを行い、新しい仕組みが適切に機能しているかを確認します。この際、スタッフや患者さんのフィードバックを積極的に収集し、改善の方向性を探ります。 - 問題点の早期発見
改善案が意図した通りに機能していない場合、すぐに対処することが重要です。たとえば、新しい予約システムでトラブルが発生した場合、その原因を分析し、システムの微調整を行います。 - 継続的な改善
システムやルールは一度導入して終わりではなく、継続的に見直しを行うことで、医院全体の運営効率を高めることができます。定期的なスタッフミーティングで改善の成果を共有し、さらなる改善点を話し合う場を設けましょう。
まとめ
歯科医院の運営を円滑に進めるためには、「業務マニュアルの整備」「患者さんへの説明プロセス」「コミュニケーション体制」といったシステムを見直すことが不可欠です。これらを最適化することで、スタッフの負担を軽減し、トラブルの再発を防止しながら、患者さんの満足度を向上させることができます。特に、スタッフ全員が理解しやすい仕組みやプロセスを導入することで、医院全体の効率化と質の向上が可能となります。さらに、システムは一度導入して終わりではなく、定期的に見直すことで、医院が常に進化し続ける基盤を築くことができます。効率的で信頼される医院運営のために、システム改善を継続的に行いましょう。
来年のテーマにしてもいい内容だと思います。
どうしても医院内だけでは難しい、とはいうもののどうしたらいいのかわからない!
という先生方には、ぜひ2025年歯科医院地域一番実践経営塾ベーシックコースをおすすめします。
https://www.consuldent.jp/jissen/basic2025.html