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皆さん、こんにちは。歯科医院地域一番実践会 地域一番化マスター 岩渕龍正です。
2024年から、歯科医院経営は大きく変わりました。
これまで25年以上、歯科医院経営を構成する2つの要素、マーケティングとマネジメントにおいて、マーケティングの方が重要性が高い地代が続いてきました。
なぜなら、患者さんがいなければ、話にならないからです。
そして、患者数を獲得できれば、スタッフは採用できたからです。
マネジメントがザルでも、代わりのスタッフはいくらでもとまではいきませんが、採用できたからです。
それは、永遠に続くかと思われました。
しかし、それは2024年で終焉しました。
2024年から日本の少子高齢化が終わらない限り、ずっと採用が困難になり、マネジメントのほうが重要な時代へとパラダイムシフトしたのです。このパラダイムシフトについていけない医院はいづれ淘汰されるか、衰退していくか、規模縮小せざるを得ないことは間違いないと思います。
今回は、このパラダイムシフトに伴って、表面化する問題について考えてみたいと思います。
それは・・・
後輩や新人スタッフに厳しすぎるスタッフです。
この問題は以前から、ありました。
しかし、2024年までは大きな問題になることがありませんでした。
なぜなら、厳しすぎるスタッフが後輩や新人スタッフを辞めさせてしまったとしても、代わりのスタッフを採用できたからです。
また、この厳しすぎるスタッフはほとんどの場合、仕事ができるスタッフなのです。
仕事ができるので、「自分がいないと医院が困るだろう」「自分が辞めたら、院長が困る」と分かっているのです。
厳しすぎるスタッフは他のスタッフにも厳しい代わりに、自分にも厳しいのです。
そして、言ってることは正論であることがほとんどなのです。
「なんで、こんなこともできないの!?」
「練習もしないなんて、信じられない!」
「やる気あるの!?」
「嫌だったら、辞めれば!?」
こういうことを自分の機嫌が悪い時に仕事がまだできないスタッフに対して言ってしまうのです。
そうすると、周りのスタッフはこの先輩スタッフが原因で辞めてしまったりするのです。
しかし、人格否定をしているわけでもないので、パワハラに該当するレベルまではいかないことがほとんどです。
また、言ってることは真っ当で、仕事ができない、覚えが悪い、やる気がない、能力が足りないスタッフにも原因があるのです。
そして、何より、仕事ができるということが問題で、その厳しすぎるスタッフに辞められると、院長のアシストに上手く付ける人がいなくなるので診療効率が下がったり、院長のイライラが蓄積して、院長のイライラをぶつけて他のスタッフが辞める原因になったり、医業収入を一番あげていたりするのでダイレクトに医業収入が下がったりします。
幹部という役職や視点はなくても、その人にしかできない業務が多く、その人に辞められると困る状況を作ってしまったこともかなりの原因となっています。
このような状況で、どうしたらいいのか?
2024年以降のマネジメントが重要な時代には、このような他のスタッフを辞めさせてしまうスタッフを残しておくことは医院を衰退させる原因となる可能性が高いです。
その厳しすぎるスタッフ1人よりも、そこまで仕事ができないスタッフが2人いてくれる方が価値が高くなるからです。
今後は、今よりももっとやる気と能力が低いスタッフしか採用できない可能性が高くなります。
今から、そんなに仕事ができないスタッフにキレてたら、今後はもっとキレることになり、そんな医院は悪い噂が拡がり、どんどんスタッフが採用できない医院になってしまいます。
今、その厳しすぎるスタッフに辞められると困るからと残すよりも、もっと困った事態を招来に招くことになる可能性が高いのです。
早い段階で残念ですが、損切りすることをオススメします。
もちろん、辞めてもらうときには退職勧奨などを社労士さんにも相談しながら、きちんとした手順で進めるように注意してください。
また、本人にもちゃんと話をして改善を促し、改善してくれるようであれば、問題はなくなり、一番良いので、話し合いをしっかりすることも忘れないでください。
しかし、仕事ができるスタッフに辞めてもらわなければいけないような決断をすることは簡単ではありません。
目先は損失でしかありません。
そして、院長自身が悪者となって、その仕事ができるスタッフに改善を促したり、退職勧奨したりとストレスのかかることをしなければなりません。
その時、労務が整備されていなければ、未払い残業代を請求されるかもしれません。
それでも、既存のスタッフや未来のスタッフ、未来の医院を守るために、そのような決断と行動を起こすことがマネジメントを重視するということになるのです。
そして、その決断と行動をスタッフはよく見ています。
院長が日頃言ってることが本当なのか?
本気でそういう医院を創ろうとしているんだ、自分達のことを守ってくれる経営者なんだ、心理的安全性を重視するっていうのは口だけじゃないんだと行動で示せることが信頼の獲得に繋がり、その信頼が未来の幹部を育んでいくのだと思います。
マーケティング重視・・・目先の医業収入を優先する
マネジメント重視・・・目先の医業収入を犠牲にしてでも、将来の医院の安定と発展を優先する
というパラダイムシフトが起きたのです。
あなたはこの変化にどう対応しますか?そして、このような問題が起きた時、どんな決断と行動をしますか?
その決断と行動が未来の医院を創るのです。