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こんにちは!
歯科医院地域一番ディレクターの萩原直樹です。
本日は幹部スタッフを育成するポイントを紹介したいと思います。
幹部スタッフが育たない…
誰を幹部にしたらいいかわからない…
など幹部育成で困っていませんか?
幹部育成の悩みは5名以下の小さい医院であっても,
10名を超える医院であっても存在する問題です。
幹部育成には大変な時間と労力、費用がかかります。
しかもその投資をしたからといって必ずしも幹部スタッフが育成されるとは限りません。
時にはせっかく育成したのに結婚があって辞めてしまうということもあり得ます。
「ここまでやってきたのに全く実にならなかった」
とがっかりされる先生もいらっしゃいます。
そんな場合はもう幹部スタッフを育てるのはあきらめようかなという想いも出てしまいますよね。
幹部スタッフを育てるのにはポイントがあるのです。
実際に私がお伺いしている医院では幹部、中堅スタッフが歯科医院をリードしており、
その中で着実にピラミッドとなる組織ができあがっています。
組織はなんとなく出来上がるということはありません。
義務と権利を与えながら育てていく必要があります。
そのポイントを3つでご紹介したいと思います。
1つ目はモデル・模範を持たせるということです。
幹部スタッフになることの最初の弊害は何をしていいかわからないということです。
「スタッフをまとめて!」
と院長先生に言われてもどのようにまとめていいかわかりませんし、
「新人を育成して!」
と言われてもどのように育てるべきかわかりません。
院長先生自身も幹部を育成するという経験がない場合には何を伝えていいかわかりません。
だからこそモデルが必要なのです。
あの人みたいになりたい、あのような行動をとってみたいと思ってもらえるような人やモデルを見つけることです。
いきなりモデルが見つかることはまずないでしょう。
医院見学に行ったり、研修に参加したりしてモデルとなるような人に出会う機会を重ねることが大切です。
医院の中だけではある程度自分の役割も把握しており、いきなり変化することはありません。
多くの人に出逢わせる機会をもつことです。
そして出逢いの中でも適当に出逢わせるのではなく、院長先生自身が評判や評価などを事前に聞いていてある程度良いと判断できた人に会ってもらうことが最善です。
あるスタッフが経営塾に参加してこんなことを言っていました。
「経営塾で出会った〇〇さんのようになりたいから何かあったときには相談をしている。」
「フェイスブックを見ながらどのような行動を日ごろからとっているかを確認している。」
モデルがいるといいのは自分から行動を創造していくのではなく、模倣をしていくので最短距離で成長することができるのです。
だからこそ、セミナーに参加する意味などを理解していただき、様々な人に会う方が良いのです。
大きな医院になれば医院内にモデルが発生するかもしれませんが、小さい医院の場合はかなり難しいでしょう。
そしてどのような点を真似すべきか、事前にアドバイスをしておくとよいです。
大切なのはヒューマン、コンセプチュアルスキルの醸成です。
時にスタッフはテクニカルスキルが高い人を真似したいと感じてしまう場合があります。
特に歯科衛生士の方がチーフになる場合はそうなりがちです。
しかし、ヒューマンスキルがなければ技術はあっても周りはついてきません。
テクニカルスキルを追求するスタッフが幹部になってしまうと下のスタッフもテクニカルスキルの向上のみに注力することになり、
医院全体の雰囲気を盛り上げるためのイベント、プライベートトークには全く興味がない組織になってしまいます。
医院の力を引き出すのは信頼関係です。
信頼関係は仕事の会話だけで成り立ちません。
日ごろから考えているプライベートの話もあるからこそ、本当のその人自身を知ることができるのです。
まずはモデルを見つけることです。
パーフェクトな人はいません。
こんなところを真似してみたら、と言えるモデルスタッフがいるのであれば積極的に会わせるべきでしょう。
部分的でも模倣してもらえると未来の成長速度が変わります。
2つ目は「いきなりすべてを任せない」ということです。
当たり前のように思うかもしれませんがほとんどの歯科医院の院長先生は丸投げしてしまいます。
「それはやっておいてもらっていいかな。」
「マニュアル作っておいて。」
とふってしまうのです。
この時に依頼されたスタッフの心情としては「具体的に何をすればいいか指示してほしい」というものになります。
できあがったものを院長先生が手直ししてしまうと
「だったら院長がやってくれればいいのに」と感じてしまい、
自己承認感を下げる結果となります。
そうではなく幹部になるまでのステップの中で必ず能力を試すということです。
例えばマニュアル作りができるかどうかは一般スタッフの段階でその能力を見極めていくのです。
幹部スタッフだからと言ってマルチになんでもできるかというとそうではありません。
むしろ全部を求めない方がいいです。
マニュアルをつくることが得意なスタッフもいますし、苦手なスタッフもいます。
幹部になるまでの間にそのスタッフがどのような特性があるかを見極めておくのです。
幹部になったら長所をまず発揮させて伸ばしていった方がいいです。
その時も必ずすべてをいきなり任せるのではなく、一部を任せていくのです。
ミーティングの運営をお願いしたいのであれば
まずは司会からやってもらう、
次にどこかのコンテンツで10分話をしてもらう、
次にミーティングの全体構成を考えてもらう、
というようにステップを踏ませるのです。
新人が入ると、急に昇進させてしまう院長先生がいます。
しかし名ばかり昇進となってしまい、実力が伴っていないので後輩がついてきません。
だからこそ現状を確認して、少しずつ任せていくのです。
幹部にふさわしい方がいない場合には不在でもよいと思います。
その時は全員で役割分担をしながら医院経営をしていけばいいのです。
スタッフの能力は3月31日と4月1日の1日では劇的には変わりません。
適性人材を配置することが重要なのです。
経験を積ませてみてください。
そして3つ目は語りの時間です。
幹部をつくったときに最も気をつけるべき点は「解釈の違い」です。
幹部スタッフ:院長先生はこういう風に言ってたから、こうだと思っていた
院長:幹部スタッフにそんなことを言った覚えはない
こんな話はよくあることです。
簡単な話がコミュニケーション不足なわけです。
話すべき内容を手っ取り早く話をしてしまう、
相手はわかってくれていると思って省略してしまう。
このような行為の繰り返しになっているのです。
しっかりと時間をとって、お願いしたいことや医院として気をつける話題に関して話す時間を設けるべきです。
特にお酒はいりません。
むしろお酒が入ると感情が強化されて強めに発言してしまうことがあるので、
普通の状態で多くを語り、幹部スタッフから話を引き出すべきです。
上記同様、してはいけないのは過度になんでも理解してくれていると感じ、なんでも任せることです。
「院長先生は私ばっかりにお願いしていて、スタッフのことを考えていない。」
任せてくれる信頼感ではなく、そんな考えに変わってしまいます。
まず自分が考えている展望を伝えながら、幹部スタッフがどう思っているかを聞くことです。
時に考えでずれる点があるとしたら、無理に理屈を通すのではなく、どうしたら良いか改善点を求めるべきです。
A or B ではなく折衷案であるABでもよいと思います。
一方的に語り、物事を突き通すのではなく、相手の意見を反映した”語り”に変えていくのです。
情熱とスタッフへの想いがあれば必ずスタッフは形に変えてくれます。
医院経営はスタッフで成り立っています。
そのスタッフ全員に語っていくのは難しいかもしれません。
時に院長先生が直接スタッフ全員に話をすると角がたつようなこともあります。
自分の意見を理解してくれている幹部スタッフが語り手となり、医院で話をしてくれることは非常に有効です。
そのためには時間と労力を惜しまずスタッフへ注ぐことです。
今の行動は必ず未来に返ってきます。
今手を抜けば、どこかに穴が空きます。
今注力すれば、必ずどこかでプラスに転じます。
物事が成果として返ってくるタイミングというのはプラスのことは遅く、マイナスのことは早いものです。
短期的な視点でとらえるのではなく、5年後・10年後を見据えて今から幹部を育成していきましょう。
以上の3つをすぐに実践できる先生は未来に必ず投資以上のものは回収できるでしょう。
未来を見据えてください。
幹部スタッフ育成が未来を創ります。