歯科医院における「競争戦略」

歯科医院における「競争戦略」 成功哲学・成功法則

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こんにちは!
歯科医院地域一番ディレクターの萩原直樹です。
本日は「競争戦略」に関してお伝えしたいと思います。

皆さんは競争戦略の基本をご存知でしょうか。

経済学者マイケル・ポーター氏は2つの基本戦略があるといいます。
※以前は集中戦略もあげていましたが最近の論文では発表されていないので割愛します。

コストリーダーシップ戦略

差別化戦略

これらを歯科医院に例えて考えていきます。

コストリーダーシップ戦略

医院が提供する経済的コストを他の医院よりも安価にすることで競争優位性を見出す戦略です。

たとえばセラミッククラウンを周りの医院より1万円低くするなどがありますが、これは競合に対してコスト優位を築く条件がそろってないといけません。

コスト優位を築く条件

・技工所などの間接コスト(材料費・技工費)が安い
・セレックなどの生産機械を導入することにより上記の間接費が抑えられ、固定費が効率化する。
※初期投資に費用がかかってしまうので必ずしもより効率化するとも言えません。
・他医院に比べ、圧倒的なコスト削減が可能
技工代は別にしても、材料費コストは全国的にも大きく違うことはないので、コストリーダーシップ戦略をとるのは難しいかもしれません。また某有名製造企業のようなコストモニタリングシステムの導入や、コスト数値目標を掲げ、医院のスタッフ全員が意識をしていく必要もあります。一定の金額まで抑えることができたら社員に還元するインセンティブ制度を設けるなど何か見返りや評価に加えていかなくては医院全体で取り組むのは難しいでしょう。

またあまりにもコストに偏りすぎて、利益率の低い自費診療が続いてしまい、回転数で飲みしか収益をあげられない体質にもなってしまうかもしれません。上記の医院環境が整備することができ、利益率も変わらないのであれば取り組んでもよいですが、通常で考えるとこの戦略は優先順位は低くなります。

差別化戦略

差別化とは自医院が展開する地域において提供する価値が他医院よりも良いと認知されることです。

ここで間違えてはいけないのは実際に提供している価値が違うかどうかではなく、患者様がその違いを理解しているかどうかが重要です。そして、実際に価値を認識すると明らかに他医院と異なる印象を持ったり、体験となることが重要です。

ただ他医院と異なるものを提供をしていても、患者様が感じる価値が向上しなければ何の意味もありません。

差別化要素はいくつかありますので少しだけ紹介しましょう。

差別化要素

医院理念 または 医院方針

「この地域から歯周病をなくす」

「小さい頃に歯並びを治し、顔貌を整える」

など、自分の医院が重視するものが患者様に伝わっていけば口コミとして広がりやすくなります。初診カウンセリングでしっかりと伝えているかどうかも重要なポイントとなるでしょう。

立地

医院がコンビニ跡地にあり、人通りや交通量が多い、または駅前であるなどの条件がそろえば患者様は立ち寄りやすく、認識されやすい。競合ひしめき合う駅前でなくても、あえて郊外の幹線道路沿いで展開することも悪くはありません。どの商圏に対してどの治療で合わせていくかが経営者の手腕による部分でもあります。

習熟(診療実績)

現在までの診療実績を伝えることにより患者様は安心することがあります。過去の診療実績や症例をまとめ患者様に伝えていくことは有効です。習熟したスタッフを安定して雇用することでケアレスミスなどがなくなり、効率化という価値を生み出します。またベテランスタッフにつく患者様も増えてくるため習熟度が高いということは非常に有効です。

診療の幅

「審美治療はできるがインプラント治療はできない…」

など特定の治療において制限がかかってしまうと患者様に提供できる価値が限定されてしまいます。診療のバリューエーションを増やすことによって様々な観点で診療提案をすることができます。実際に私のクライアントで全顎治療を行っている歯科医院では信頼のできる外部の先生にインプラント治療や矯正治療を委託している場合もあります。導入したことにより提案幅も広がり、より良い価値を提供できています。

差別化戦略をとる医院の傾向としてはリスクをとることを気にせず様々なことにチャレンジしています。多様な視点を持つことにより、現状を客観的に分析することができます。
自分の医院の差別化ポイントを伝えられているか、ぜひ一度考えてみてください。

いかがでしょうか。

最近は目の前の医業収入をまずはあげたいというご相談も増えておりますが、自分の医院がどのような方向性で成長していきたいのか一度考えてみるとよいです。

医院の方向性が明確になれば、スタッフもついてきやすいですし、患者様に対しても全員が同じように伝えることができます。定期的な全体ミーティングで医院の方向性の共有、具体的アクションを共有することは必須でしょう。

弊社でも毎年年末にはここ数年実施すべき事の共有と具体的な行動計画がたてられています。

ぜひ全員の認識共有を図ってみてくださいね。

 

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