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こんにちは!
歯科医院地域一番実践会の萩原直樹です。
本日は歯科医院経営で規模の拡大に迷われる先生に向けたブログを書きたいと思います。
歯科医院地域一番実践会では現在、YouTubeに本格的に取組んでおります。
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経営の規模に関して迷ったら自分を見直す
私達のクライアントでは1医院チェア3台からチェア20台を超える歯科医院も存在しています。
以前、「歯科医院地域一番実践会は1億円まで」と言われていたこと時代もあったようですが、
現状では分院展開をしている医院では10億以上、1医院でも5億以上のクライアントが多数存在しています。
その中で毎回質問される内容は「拡大すべきか否か」です。
実は判断するにあたり、経営者・スタッフなどの経営構成要素を元に医院の適正な経営規模を考えています。
適正な経営規模とは?
アドバイスをする側として一定の規模までは医業収入を伸ばし続け、役割を分担していくこと自体は難しく有りませんが、経緯に付随する業務が増えたり、人材管理リスクは高まってきます。
場合によってはあえて現状を維持しながら、「効率性」を求めていくこともあります。
必ずしも拡大だけが弊社コンサルティングの役割ではなく、
正しい人数とより利益の残る経営体制をつくることがあります。
最も大事なことは、
「適正な規模で人が育つ環境があり、十分に利益があるか」
ということになります。
歯科医院の医業収入が伸びていく中では規模拡大、現所維持のどちらかを選択すると思います。
どちらも正解ですが、「継続的成長を考えた上で経営の問題が発生するリスクはどちらが今後大きいか」考えるべきです。
ここでいう継続的成長は小規模歯科医院であっても、医業収入が一定になったとしても、スタッフのお給料はある程度右肩上がりになるような収益構造をつくっていくということです。
もちろん私達はアドバイザーとして「現状維持・効率性改善」の助言をした上で、拡大規模を望まれる院長先生の場合には拡大サポートはします。
しかし十分な準備ができていない歯科医院は医業収入は茨の道を進むことになります。
3年以内で新人スタッフは辞め続け、
幹部スタッフは毎回辞めていく新人教育に疲れ果て、
時間と労力を削られていきます。
医業収入はあがっていくが、人財が育たずに、できない仕事を多くの人材採用で乗り切ろうとする。
そうすると収入に対しての人件費は上がり、費用対効果は悪くなり、利益が残らない。
結局拡大をしない時の方が利益が残り、スタッフの笑顔も多かった。
ということが発生します。
拡大に失敗する医院の特徴は?
このような医院の特徴としては十分な働ける環境をスタッフに準備できていないということがあります。
列挙するとしたら下記のようなことが考えられます。
・スタッフが頑張っても雇用条件が変わらない/正しい評価が存在していない
・経営者がマネジメントに関与しない/ほったらかし経営
・経営者が特定のスタッフに肩入れをしていて、周りがその事を理解しており経営者から一歩ひいている
・幹部だけが動くようになっているから下は動かない
・情報共有がほとんどされていない(いきなり人が入社する/退社する)
・常に新しいものに飛ぶついてしまい、大切にしていたものをないがしろにする
・経営がうまくいったら自分のおかげ、うまくいかなかったらスタッフのせいにしている
・歯科医院経営に関係ない(投資など)ことに注力している
・感情の起伏が激しい
経営者の器以上にスタッフは育ちにくいという事実はあります。
経営者以上に人財が育つ歯科医院は経営者が正しく目をつけたスタッフの器が大きく、そのスタッフにある程度の業務を一任しており、そのスタッフに魅せられて伸びていくスタッフが発生する場合です。
ただし、経営を大きく左右するものは経営者である院長の発言・行動・考え方であると言えるでしょう。
継続的な人財育成
規模が成長する過程で必ず人財育成が必須になってきます。
人のマネジメントの問題が経営上最も影響が大きく、歯科医院経営の根底でもあります。
人が育てられない環境なのであれば一時的に業績が伸びたとしても、
人財マネジメント不足により入退社を繰り返します。
力量に合わせた経営をすべきです。
怒られない、叱られない、自分の世界に閉じこもれる現代では、
対応力の高い人財は減り、チーフやリーダーなどのマネジメント業務に携われる人も稀有な存在となるでしょう。
そんなスタッフを育てられる環境をつくらなくてはいけません。
医院を大きくしていく過程では歯科医院の中枢となる幹部やリーダーが必須です。
このような幹部やリーダーがいない組織は背骨のない軟体動物のように、
軸が備わっておらず、ぐにゃぐにゃとした組織になり、一度問題が起きれば、
一気にマイナスな環境に流れてしまいます。
特に軸のない組織では軸がない・規律はないが故に「労務環境問題」が多発し、残業・給与・賞与の話が絶えません。
また労働環境問題に関して正しく理解し、伝えられる人財もおらず、
労働者目線でのみの会話が増え、スタッフが主体的になる組織にはほど遠い
個が自分のことだけを考えて働く形となってしまうことでしょう。
気づけば医院理念を語れる人など一人もおらず、経営者すら数年前に書いた経営理念を空で言うことすらできていない現状もあります。
何のための経営なのか、どこを向いて経営しているのか。。。
メンバーマネジメントできる人数の上限
優秀な人がメンバーを管理できる人数をご存知でしょうか。
一般的に管理できる人数は5~8名程度と言われております。
10人管理できたらそれこそソルジャーです。
当時最強であったモンゴル帝国の組織ですら1部隊は10人までにしていたようです。
あのAmazonのCEOのジェフ・ベゾス氏であってもチームに最適な人数は「2枚のピザを分け合える程度まで」と提唱しています。2枚のピザなので5~8人というところでしょうか。
ここで言いたいのは5~8人の倍数になるにつれてそのチームをまとめる人がいないのであればそれ以上の拡大は非常に危険です。
拡大し続ける組織はチーフだけでなく、サブチーフ、セカンドラインを大きくするたびに意識しながら育てないといけないということです。
院長先生はそのようなことを考えて経営していますか?
予約がいっぱいになってきたからチェアを置く、チェアを置くから人を採用する、という流れになっていませんか。
正しくはよい人財がいるからこそ、チェアが設置できるという流れです。
もちろんスピード感は落ちるかもしれませんが、組織は確実に構築されていきます。
もし、マネジメントが任せられず、院長が全員を見ようと思ったらチェアを多くても6台ぐらいでとめておいたほうがいいです。
人に任せられない、口を出してしまう経営者が10台~15台とマーケティングにより拡大していくと医業収入はあがっていくかもしれませんが、スタッフのバラバラ感は加速していきます。
一緒の場所では働いてはいるが、スタッフは点でちらばり、全く線になっていない組織となります。
そうすると将来が一番有望なスタッフから退職をしていきます。
なぜならそのスタッフが医院がうまくいっていないこと、今後も変わらないことに気づいてしまうからです。
素晴らしいスタッフほど医院への想いが強くなりがちで、その組織が変わらないことへの落胆は非常に大きなものです。
他人と環境は変わらない、だから自分が変わって他で活躍しようと考えてしまうのです。
スタッフの人生にとってはその選択肢が正解の場合もあるでしょう。
最後に…
何のために拡大をするのでしょうか?
はたまた、何故そのまま現状維持をするのでしょうか?
医院の成長は自分が思い描いているものでしょうか。
行き当たりばったりで経営をしていませんか。
中長期経営計画は立てていますか。
望むべき未来からの逆算で今を形どりましょう。
一度自分の医院を見てほしいと感じられる経営者はお気軽にご相談ください。