この相談事例は約 4 分で読めます
これから事務長として勤務します。
これまで、歯科業界での勤務経験はなく、歯科の資格もありません。
前職は役所で働いていましたが、院長とセミナーで知り合い、意気投合して勤めることになりました。
しかし、まだ今年1年の具体的な目標が設定できていません。
理想とする事務長像も固まっていません。
これから10年間の中長期目標が設定できていません。
事務長は医院としても初めて採用されることから、院長から事務長に求めることをフィードバックしてもらい、実践をしながら日々改善していきたいと思っています。
今後はリーダーシップと影響力を高め、スタッフ全員から力を貸してもらえるようになること。
そして、スタッフ全員に貢献できる事務長になりたいと考えています。
お考えは素晴らしいと思います。
まだ、実際には働いていないので漠然としたイメージしかないのは仕方ないと思います。
しかし、事務長の採用と育成は非常に難しいのが現実です。
まず、うまく育たないことが多い。
次に、育ったとしても勝手に独立してしまうとか、院長を裏切るようなことをしてしまうのどちらかになることがほとんどです。
しかも、育つまでに医院としては多額の教育投資と給与を支払ってきているので損失は莫大です。
次に、事務長が勘違いしがちなことがあります。
それは事務的なことをしっかりやれば、事務長の仕事をやってると勘違いしてしまうことです。
例えば、衛生士学校とのやりとり、保険関係の書類のやり取り、各種業者さんとのやりとりなどです。
これを院長に代わって、やってくれることで確かに、院長の負担は軽減されます。
しかし、これをやってくれたからといって、出せる給与は25万円ぐらいの価値だと思います。
もちろん、本人としては頑張ってるのは間違いないでしょうが、そのレベルで留まっていても、自分の価値を高めることはできません。
そうなると、院長としてはあまり価値が上がってないから給与を上げてあげられない。
しかし、事務長としては自分は頑張ってるんだから、もっと給与をもらわないと割に合わない。
自分には家庭もあり、子供もいるから、これだけではやっていけない。
このギャップによって、不満が蓄積し、院長を裏切るような結果になってしまうことが多いのです。
また、最大の問題は院長自身が事務長を雇ったこともないし、育てたこともないし、歯科界にはまだ事務長という役割が一般的ではないため、事務長を育成する方法が確立されてないことです。
院長は日々、目の前の診療で忙しいですから、事務長に対して、細かい業務の指示を出すのも難しいし、改善点を指導することも難しくなります。
必然的に、丸投げに近い形になるのです。
そうやって、どんどん院長と事務長のコミュニケーションがロスしていく。
結果、院長と事務長の信頼関係が崩れていく。
そういうパターンが多いのです。
じゃあ、どうしたらいいのか?
については次回、お伝えします。