この相談事例は約 4 分で読めます
現在、歯周治療を中心とした歯科医院を開業して10年になります。
お陰様で、歯周病では地域一番と言っても過言ではない状態になりました。
しかし、歯周治療を中心にすると、患者層は高齢になり、今後の展開が先細りになるのではと思うようになりました。
また、歯周治療を謳っているにもかかわらず、小児の患者さんが来ることもあり、咬合誘導や矯正治療はやっておらず、近医に紹介しているのですが、正直、本当に信頼できるか疑問を感じています。
そこで、当院が信頼できる小児Drを分院長として、小児歯科の分院を立ち上げれば、上記の問題は解決するのではと思いました。
分院については、勤務医時代でも分院がある医院を経験しなかったので、全く見当がつかない状態です。
歯科医院地域一番実践会の「歯科医院分院成功セミナーDVD」を視聴したり、分院を持っている先生の医院を見学するのが解決策だと思います。
また、分院長になってくれる小児歯科の先生をスカウトする必要もあり、小児歯科との人脈は皆無であり、普通に募集するしかないと思っています。
本当は今年か来年から動く予定でしたが、コロナの影響で白紙に戻りました。
このコロナの時期に分院を作ることの是非。
また、分院を作るとしたら、どういった勉強をすべきか、そして、分院長のスカウトについて教えてほしいです。
結論から申し上げます。止めたほうが良いです。
そもそもの目的は歯周病が専門だけど、小児も来ているので、院内がごっちゃになってしまってるので、分院を作ったらいいのではないか?
ということです。
また、現在は矯正は紹介しているけども、紹介先もどこまで信頼できるか分からないから、だったら、自分のところでできないかということです。
もちろん、それができれば非常に良いと思います。
しかし、それを実現するには小児歯科の専門医かつ矯正歯科学会の認定医を持ってる人を採用しなければいけません。
これまで、何百件もの歯科医院をコンサルティングしてきましたが、普通の歯科医院で小児歯科専門医を普通に採用できたケースはほぼ皆無です。
また、それにプラスして矯正歯科学会認定医まで持ってるとなると、相当に難しいと思います。
つまり、そのような人を採用するだけでも難しいのに、その人に分院を任せられるとなると現実的に見て、不可能に近いと思います。
仮に、そのような人がいたとしましょう。例えば、小児歯科の専門医があり、矯正歯科学会の認定医はないけど、矯正は診れる。
そういうDrが採用できました。分院長として任せました。
もし、その先生がいきなり辞めてしまったら、その分院はどうなりますか?
どうしようもありません。
今どき、ゼロから医院を作ろうとしたらテナントでも5千万ぐらいかかります。
5千万もかけたのに、1人の先生に全てが依存するのはあまりに危険ではないでしょうか。
そして、そんな自分がいないと何もできない状態になれば、多くの場合が足元を見られます。
更に、院長先生は歯周病専門ですから、小児歯科の専門医の先生に技術的な指導もできないし、何が問題かもわからなければ問題が放置され、大問題へと発展する可能性も十分にあります。
そして、その問題が大問題へと発展して、問題が表面化する直前に、そのようなDrは姿を消すのです。
そうやって、全てのツケを院長先生が払うことになるのを私は何回も見てきました。
ですので、自分の専門とは違う分院を出すのは止めたほうが良いです。
失敗する確率ほぼ100%ですので。
その他の質問への回答については、また次回、解説いたします。