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勤務医として、この先を考えた場合、開業に対するビジョンが今一つ見えてこない。
現在の医院では、多くのことをさせていただける環境にあり、開業に対するイメージがわきにくいこと、また自分の性格がNo2でやっていったほうが力を発揮できると考えていること。
ベーシックで、いろんな院長や医院の話、勤務医の話を聞いて、見て、自分は今どうしたいのか、どうしていくべきなのかを改めて考えていくことが大事なのではないか。
自分が開帳してバリバリやりたいようなイメージがなく、勤務医としてもやっていけるのではないかと思ってしまうふしがある。
実家も歯科医院ではないし、居抜き物件を見ても自分がやるイメージがあまりわかない。
ずっと勤務医でいる人に会ったことがないから、そっちのイメージもわかない。
これから、今回のようなケースは確実に増えてくると思います。
しかし、身の回りには「ずっと勤務医でいる人」に会ったことがないとイメージがわかないと思います。
実際、歯科医院地域一番実践会の全国約400医院の中では、「一生、この医院で働いていこう」という意思を示してくれる先生は確実に増えています。
その多くは副院長だったり、分院長だったり様々ではあります。
しかし、意外に副院長が多いようには感じてます。
分院長より副院長の方が権限はありませんがよりNo2のポジションとして、自由に動けるからなのかもしれません。
その共通点はそんなに開業志向ではない、独立心がそこまで強くないということだと思います。
そういうことから考えると、今回のケースでは正にそれに当てはまると思います。
逆に、そのような先生が業者さんとかにそそのかされて開業してしまうと、開業してから非常に苦労するというケースも数多くあります。
特に、「オレは開業するつもりないから」と言っていた奥さんとの関係性が悪化し、借金をすることや、日曜日にセミナーに行ったり、いろんな仕事をすることへの理解が全く得られず、非常に苦労するケースは後を絶ちません。
また、開業があまり向いてない先生は勤務医の頃はスタッフと仲良くしていたものの、それは同じ雇われてる立場で、特に何も厳しいことも言わないから仲良くできていただけで、自分が経営者になり、1億近い借金を負って、雇う側に回ったら、スタッフとの関係が全く構築できないというケースがほとんどです。
そうなると、スタッフが急遽やめてしまうようなことがよく起こります。
採用についての取組もあまりやってないので、人手が足りなくなり、院長夫人に医院に出てもらうようにお願いするものの、「なんで、私がそんなことをしないといけないの!!」と猛烈にキレられて夫婦関係は悪化し、そんな嫌々働いている院長夫人はスタッフにもキツく当たり、更にスタッフとの関係性が悪くなるという悪循環。
そんなケースは全国いたるところにあります。
これだったら、自分で開業するより、副院長として安定した収入をもらってる方が全員が幸せだったのではないかと思うのです。
もう、これからは歯科医師全員が開業する時代は終わりました。
年間医業収入3億以上の歯科医院であれば、副院長という立場で一生、勤めることも十分に可能になってきているのです。
ですので、今、お勤めの医院がいろんなことをやらせてくれて、やりがいもあり、院長先生との関係性が良好で、この人についていきたいと思えるような先生なのであれば、副院長としてずっとやっていくのはとても良い選択なのではないでしょうか。
これから、副院長として生涯、1つの医院に勤めることがやりがいがあり、1つの歯科医師としての生き方なんだということを是非、多くの若い先生にも示していただきたいです。