この相談事例は約 8 分で読めます
歯科業界が初めての新人スタッフの教育をどうすれば、途中リタイヤすることな く無理なく終えることができるか。
昨年、私は当院に入社し、同期に歯科業界が初めての新人スタッフが2名いました。専門性の高い業界であるため、毎日新人スタッフは勉強することが多く、遅 くまで残って勉強することもありました。人それぞれ要領の良しあしはありますが、何か医院全体、または個人の取り組みで助けてあげれることがないか考えることがあったので、今回岩淵さんにお話を伺いたいです。
医院全体としては
1.新人スタッフの能力に応じた教育システムを組めるようにする。
プラス:着実に教育することができれば、採用の段階で厳しくきる必要がなくなる。新人スタッフが無理なく教育期間を過ごすことができる。
マイナス:ないと思う。
2.ありがとう運動を行い、日々しんどいながらも周りが声掛けを行い、新人スタッフのモチベーション維持に努める。
プラス:新人スタッフのモチベーションだけでなく、スタッフ全員のモチベー ション維持にもつながる。かかる費用は0。
マイナス:なし
3.新人スタッフ教育専門のスペシャリストのポストをつくる。
プラス:わからないことがすぐに解決できる環境を作れて、ストレスなく新人スタッフは研修期間を過ごすことができる。
マイナス:1日つきっきりで教育を任せれる人材を確保しないといけない。
4.とにかく院長はじめスタッフ全員で新人スタッフを褒めて、育てる。ほめ達検 定を取得するなどして、褒める文化を医院に定着させる。
プラス:新人スタッフだけでなく、医院の雰囲気をいい方向にもっていくことができる。かかる費用は0。昨年、当院はほめ達の院内研修を行い、ほめ達検定を 取得したいと思っているスタッフが多く、今年取り組みやすい医院の雰囲気には なっている。
マイナス:新人スタッフに対してイライラしてしまうこともあるので、自分に余 裕を常に持てるようにしていないといけない。
個人として
1)自分はDrというポジションなので、毎日わからないことがないか声掛けを行い、その都度丁寧にわかりやすく説明する。
プラス:Drと新人スタッフとの壁をなくすことができ、新人スタッフのストレス 軽減に寄与できる。
マイナス:診療中・後と忙しい中でも時間を確保しないといけない。
2)とにかく褒める。また毎日感謝の気持ちを伝えて、少しでも新人スタッフのモ チベーション維持に貢献する。
プラス:自分から率先して行うことで、一人の力で医院の雰囲気を変えれる可能性を秘めている。
マイナス:他人のことを考えられる、見る余裕を持たないとできない。
3)新人スタッフの教育係とコミュニケーションをとり、自分に何かできることがないか聞く。
プラス:Drにしかできないこともあるので、その部分をうまく活用できれば、今 いるスタッフ以上に知識があり、要領よく働けるスタッフにすることができる。
マイナス:日々の仕事に余裕がないといけない。
4)そのようにできないのは何故ですか?
医院全体として
スタッフに応じた教育システムがまだない。参考にできる歯科医院さんがあれば見学にいきたい。当院はありがとうの文化はあるが、まだ褒める文化はまだまだ である。1日つきっきりの教育専門スタッフを置けるほどの人材がいない。
個人として
自分から新人スタッフに声掛けできてるときもあったが、自分自身も一年目で 日々声掛けをできる余裕をもてなかった。
昨年、院内研修で褒めることの重要性を学ぶことができたので、今年は新人スタッフの教育で褒めることを行動にうつしていきたい。まずは、褒めた2級取得。
去年は自分自身が新人Drであったので、医院の教育システムなどを把握できていなかったので、今年は積極的に教育係とコミュニケーションをとれるようにしたい。
勤務医の立場でここまで、新人スタッフの教育位ついて考えて、実行していることが本当に素晴らしいと思います。
最近の歯科医院地域一番実践会の全国300医院以上のクライアントでは以下のような取組をすることで、新人スタッフの定着が上がっております。
(1)新人スタッフ教育の時間を診療時間の中に設けてしまう
やはり、新人スタッフが定着しない最大の理由は練習、教えてもらう時間が診療時間外になるので、帰る時間が遅くなることです。
これが解決できるとかなり定着率が上がります。
ただ、最大の問題はそれだえけ先輩の診療時間が削られるので、医業収入が下がる、他のスタッフにも負担が行くということが挙げられます。
しかし、これだけ日本人の権利意識が拡大し、日本の狂った労務の現状を考えると、この方向にシフトしていかないといけないのかなと思います。
もちろん、個人的には仕事ができない人が押してもらう、勉強する、練習する時間は業務時間外にやるのが当然だと思います。
しかし、日本の狂った労務の現状に適応していくことが最終的に医院を成長させるうえでは重要になってくると思います。
(2)教育担当が毎日5分間トークをしてあげる
もちろん、色んな人が新人スタッフに声をかけて褒めてあげるのはとても大切なことです。
やらないよりやったほうが絶対に効果的です。
しかし、褒めるという行動は非常に難しく、状況や人によって、できるできないが別れてきます。
そうなると、仕組としては弱い、つまり、不安定であり、新人の定着も褒めることに依存すると不安定になる可能性が高くなると思います。
それよりは、仕組で解決することが重要です。
その仕組みとは・・・
教育担当スタッフを1人、明確に決めることです。
教育担当スタッフが教育カリキュラムの進捗を確認し、テストの進捗なども確認していくのです。
そして、教育担当スタッフが毎日、診療後に5分間、話をする時間を取ってあげるのです。
これは歯科医院地域一番実践会のスーパースタッフ育成塾でお伝えしている内容です。
是非、教育担当スタッフはこのスーパースタッフ育成塾にご参加していただき、5分間トークを実践されることをおススメします。
この5分間トークを行うことによって、カリキュラムの進捗だけでなく、その日にあったことの確認や、メンタルの状態の確認、その日に教わって分からなかったこと、不安な事を聞き、教育担当スタッフからも改善点や具体的な改善のための取組、翌日にどんな行動をするのか、翌日の5分間トークではその行動が実際に起こすことができたのか、行動してみての気づきなどを確認していくことができるのです。
このようにすることで、新人スタッフのメンタルの状態も常に確認することができますし、新人スタッフの課題や分からないことをすぐに把握し、問題解決に動くことができるのです。
実際に、これをするだけで全国500医院以上の歯科医院で新人スタッフの定着率が格段に上がっています。
多くの歯科医院では新人スタッフがいきなり、仕事に来なくなってしまい、そのまま退職。
その理由はよく分からないということがあります。
このようになることを防ぐことが5分間トークで実現できるのです。
是非、実践して見られることをおススメします。
他にもありますが、それはまた、今度。