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今回は前回の続きとなります。
4年目の中堅DAのモチベーションが下がっているため、簡単な人事評価を取り入れました。
自分の仕事が評価されるとあって、頑張ってくれてるのですが、夏の賞与で試しに自己評価を出してもらったところ、スタッフ全員の自己評価が高く驚きました。
また、この4年目の中堅スタッフはビックリするぐらい自己評価が高く、ほぼ満点の自己評価を出してきました。
モチベーションが下がっていた中堅DAがこの人事評価をきっかけに頑張ってくれるようにはなったので、何とかモチベーションを下げないようにしたいのですが、どうしたらいいでしょうか?
先ず、人事評価というのは評価表や評価の基準というものがある以上、簡単なものであっても、なんであっても、以下のようなことをすることが必要になってきます。
・本人の自己評価
・チーフ、主任、など信頼できる幹部がいる場合には上長評価
・院長評価
・本人との評価に対するすり合わせの評価面談
・院長による最終的な評価の決定
・評価に基づく賞与金額の決定
先ず、これをきちんと行えないのであれば簡易的なものであっても基本的には人事評価は取り入れない方が良いと思います。
人間とは自分に対する過大評価と他人に対する過小評価で成り立っている
と聞いたことがあり、私もまさにそのとおりだと思っています。
きちんとした院長の評価とすり合わせによって、本人の自分に対する過大評価をきちんと修正し、医院が求めている基準に合わせていってもらうことが人事評価制度の大きな目的になります。
その目的を果たさない制度であれば、ないほうがマシなのではないかと思います。
かえって、混乱します。
また、評価のすり合わせ面談などをすることで、院長も知らなかったような本人の頑張りなどを知ることができる機会になりますので、それはとても重要な機会ですし、そういう機会にきちんと頑張りを認め、承認し、褒めてあげることも大事なことです。
今、このマンネリ化してしまっている中堅DAスタッフはお金でしか動かないという状況になっています。しかし、人間というのは褒められてうれしいと感じる脳の部位と褒められてうれしいと感じる脳の部位は同じなのです。
つまり、今のこのマンネリ化した中堅DAスタッフはお金でしかその脳の部位が反応してないのではないでしょうか。評価のすり合わせ面談などの際にしっかりと頑張りを認め、褒めてあげること、その他にも日頃の頑張りをメモしておいて、それをしっかり伝えてあげて、褒めてあげることをすれば、お金をもらって反応する脳の部位がしっかり刺激されます。
そうすることで、たとえ、お金については本人がもらいたいと思っていた金額とは違っていたとしても、院長が頑張りを認めてくれて、褒めてくれたということで脳の部位が刺激されて、モチベーションを下げ止めることができるのではないかと思います。
そして、その評価面談の中でしっかり院長が求める基準を1項目ずつについて、しっかり伝えることで、院長が求めるところを理解することになると思います。
ただ、具体的な行動レベルで何がどう良くなかったのかも聞かれると思いますし、そこまで伝えられないと説得力がないので、日頃から、求める基準を各項目についてメモしておくことと、本人の評価するべき点、各項目について足りてない点、もっと求めている点を具体的に日頃からメモしておくことができれば、かなり実りある評価面談になると思います。
院長というのは歯科医療従事者であるだけでなく、上司・マネージャーでもあるわけです。自分のことだけでなく、スタッフの日頃の動きや評価するべき点、改善するべき点をしっかりと日々、見つめ、伝えることが重要な役割なのです。
それを機能させるために人事評価制度を活用されてみてはいかがでしょうか。