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診療所の1階がチェアー3台で、拡張するには2階を使用するしかないのですが、父が建物の権利者で父に拡張を反対されている。父も歯科医師で、現在1階で一緒に診療していて、父が勤務医になっている。
父とのコミュニケーションがうまくいかない。
何が原因かわからないが、話しかけても拡張のことになると、無視してくる。
父に反対の理由を聞いても話を聞いてくれない。自分の気に入らないことには、昔から無視する傾向にある。
父とコミュニケーションを取ればいいとは思っている。
現在の場所であと2台はチェアーが増やせるので、改築して勤務医を雇うぐらいの規模にしたい。
場所はあまり良くないので、どこまで大きくできるかわからない。
移転もしくは分院を作ることも選択肢としてはあると思う。
流動人口のある場所で父と離れて診療すれば、自分の思い通りにできる。
ただし、近所だと喧嘩別れしたと患者さんに思われ、マイナス要素である。
当然、すべての歯科医師の先生は自分がやってみるまで開業や継承をしたことがありません。
ですので、実際にやってみたらどういう大変なことがあるかを知りません。
しかし、そうはいっても、最近では開業が大変だということは認識されつつあり、開業準備をしっかりしたり、開業に向けてやらないといけないことがたくさんあると分かっている先生が増えてきました。
ですが、継承については大変だという認識がなく、親の医院があって、患者さんもそこそこいて、家賃もかからないのだから、特に準備することもないと甘く考えている先生がとにかく多いのです。
実は継承にはよく分かんないリスクがとても多いのです。
今回の相談事例がまさにいいケースです。
息子が医院を継いでくれて、医院を拡張しようというところまで頑張ってくれてるのです。
親であれば応援してあげればいいのに、それを邪魔するようなことをする、口を出したりする。
実は、これは意外と継承ではよくある話なのです。
親の時代はそんなリスクなんておかす必要がなかったから、そんなわざわざ大きくする必要がないと言ってきたりする親もかなりいます。そんな時代はとっくに終わってることに気づかないのです。
そのような強力なブレーキがすぐ隣にいる状況でいくら頑張っても、自分も医院も伸びることが難しくなってしまいます。それであれば、そんな状況からできるだけ早く脱出したほうが良いのではないかと私は思います。
なので、今回のケースであれば親の医院とは別に、近くにもっと良い場所で開業したほうが良いかと思います。
全ての新規開業をしてる先生は自分で借金してリスクを負ってやってるわけですから、それを単純にやるだけの話です。しかも、親の医院から自分が担当していた患者さんも連れて行くことができるのですから、かなりリスクは少ないと思われます。
近所だと患者さんから喧嘩別れしたとイメージが悪くなるのではと心配されてますが、そんな心配は無用だと思います。かえって、息子さんが帰ってきて、大きくやっていると高評価になると思います。もちろん、一緒にやってる期間に診療室の患者さんがみてるところで親子喧嘩していれば話は別ですが。
既存の医院はお父様にやってもらうのです。それでお父様が医院を止めるときに既存患者さんに新しい医院に来てもらえばそれで問題ないかと思います。
ただ、問題解決策はこれだけではないので、次回に別の問題解決策も提示します。