この相談事例は約 4 分で読めます
若手スタッフ1人の育成について悩んでいる。
そのスタッフは唯一の歯科助手常勤スタッフで、21歳、勤続3年目です。
普段の会話ですぐに「でも」「わからない」などの否定的な言葉がたくさん出て周りのスタッフが困っている。
言い方がきつく、できないのに負けず嫌いなので教える方も否定されたりするので教える気がなくなっている。
そのスタッフに言わなければいけないことがたくさんあるので2週間に1回の面談の時に少しずついうようにしている。
スタッフの自分軸を構築して、仕事と私生活のバランスややりがいをどうすればいいか考えている。
時間がかかっている。少しずつ仕事を頑張るようになってきているが、その前に周りのスタッフが爆発しないか心配。
変わらない場合は辞めてもらったほうが良いのかが分からない。
このようなことは歯科医院ではよく起こりますね。
今回のケースでは院長先生が2週間に1回の面談で、しっかりと本人と向き合い、改善を促していて、変化が現れているのは本当に素晴らしいと思います。
是非、このまま続けてほしいと思います。
しかし、歯科医院は学校ではありません。
労務の世界では一人の雇用を守ることは医院の存続よりも重たいようですが、そんなことしていたら、組織はすぐに崩壊してしまします。
残念ですが、いつまでも辛抱強く待つことには限界があります。
また、人はそう簡単には変わりません。
今回、問題となっているのは性格の部分なので、そう簡単には変わらないと思います。
ですので、これまで同様に、本人が気づき、成長していくためのアプローチは続けていただくのが良いと思います。
しかし、1年など期限を設けたほうが良いと思います。
それまでに改善しないようであれば、うちの医院で仕事を続けるのは厳しいと思うとハッキリと伝えたほうが良いと思います。
それまでに成長して変わってくれればベストですし、そうでないのであれば、残念ですが、退職勧奨を行い、辞めてもらったほうが医院のためであり、本人のためでもあります。
実は、今回のケースで一番の問題は「医院の中で唯一の常勤の歯科助手」であるということだと思います。
つまり、「一人しかいない常勤の歯科助手だから、辞められたら困る」という医院側の都合が強く働いてしまうのです。
そうすると、強く言うこともできないし、辞めてもらうことも難しくなります。
ですので、1年という期限を設けて、それまでに辞めることになってしまっても大丈夫なように採用活動を行い、早めに採用して教育も進めておくのがベストです。
もちろん、余分な人員を抱える時期がありますが、それは仕方ないかなと思います。
歯科医院の場合、あまりにも余分な人員や余力がないために、いつでも、「辞められたら困る」という状況になり、それによって、更に足元を見られてしまうという状況を自ら作り出してしまっているのです。
だからこそ、そのような状況を回避するために、ある程度の医業収入が必要ですし、その収益の中から、最低限の余裕のある人員体制なども作っておかないと、歯科医院のようにいつ、誰が結婚、妊娠、出産、体調不良で抜けるかもわからない歯科医院を安定的に運営するのは難しいと思います。