【自分の医院なのに】スタッフが言うことを聞いてくれない

【自分の医院なのに】スタッフが言うことを聞いてくれない スタッフ教育

この相談事例は約 6 分で読めます

相談内容

1日患者数:15人から20人
現在は日曜診療もやってますが、2ヶ月後には止める予定です。
診療時間も現在は21:00までですが、3ヶ月後から19:00までにする予定です。

現在、スタッフのマネジメントのことで悩んでいます。
スタッフが現状、好き勝手やっている状態で規律が保たれていません。
また、スタッフのモチベーションも上がらず、協力して医院を作り上げていくという雰囲気をなかなか作り出せていません。

プラスの発言をしようと意識しているのですが、そうすると、注意するということ自体がマイナス発言のように感じられるため、どのように注意すれば良いのか分からなくなってしまったり、「怒らない」ということを意識すると、イラッと来た時に、一旦、気を落ち着かせてから注意しようとすると、注意するタイミングを失ってしまい、結局、そのままになってしまうことが多くあります。

あとでまとめて注意されるのはスタッフとしてもいい気分がしないと思うのですが、診療中に注意すると、そこでスタッフが嫌な思いをしてしまい、診療がスムーズにいかなくなるのではないかと考えてしまいます。

小さなことで気になることがたくさんあるのですが、それらを全部注意して良いものかどうか、また、いつのタイミングで、どのような方法で注意するべきかが分かりません。

注意しても、恐らくいい反応が得られないことが予想されるため、そのことを考えると、注意することが億劫になってしまいます。正直、私と考え方が違うように感じられ、細かいことを言っても理解してもらえない気がしてしまいます。

「ありがとう運動」を実践しているつもりですが、こちらの言葉に対して、あまり反応を得られません。自主的に仕事をしようという意識もあまりなく、患者さんがキャンセルになると、遊んでいるような状態です。また、患者さんへの気遣いも、私から見ると足りないように感じられます。

スタッフはどちらかと言うと、気が強いタイプの子たちが多いのですが、こちらが「怒らないように」ということを意識するあまり、舐められている気がします。また、少し注意したとしても、反論されると、こちらも感情的になってしまいそうなるため、それ以上、こちらから何も言えなくなってしまいます。

当院は開院してから3年になるのですが、開院当初はスタッフはDA2人のみで、どちらも初心者で知識もない状態でした。そのため、毎日バタバタで、きちんとミーティングをしたりする時間もあまりありませんでした。

最初から厳しく注意するのも可哀想だと思い、スタッフの自主性に任せていました。
また、自分自身、今までの人生の中で、人の上に立って、リーダーとして人を率いた経験がなかったため、どのようにマネジメントしていいかも分かりませんでした。

その後、衛生士が1名入ってきたのですが、そのスタッフは非常に知識や技術の優れたスタッフである反面、院長である私の話を聞かずに勝手に物事を進めてしまうことが多くなってきました。

スタッフも同性であるその衛生士の方が話しやすいため、色々な相談などを、私ではなく衛生士にしたり、勝手に自分たちで色々と決めてしまうようになってきました。厳しくしようかとも思ったのですが、結局、マネジメントの仕方がわからず、ズルズルと今まで来てしまいました。

岩渕の回答

今回も2回に分けて、回答したいと思います。
先ず、今回の問題が起きてしまった根本的な問題を考えてみたいと思います。
私も自分で25名以上の会社組織を経営しているのでよく分かります。

大きな問題はどこの歯科医院でも起きる問題ではありますが、
「辞められたら困る」
という大問題に直面することで、問題を放置し、問題が拡大してしまったということです。

特に、今回の問題では医院が日曜診療、夜21:00まで診療していることによって、かなり採用が不利な状況に追い込まれてしまっていたために、スタッフ側としても「どうせ辞められると困るんでしょ」という医院の弱みに付け込み、増長してしまった面が強いように思います。

極論いえば、強く言えなくても良いのです。
言うことを聞いてくれない人には辞めてもらい、良いスタッフを入れることができるのであれば、それで困らないのです。

しかし、現実はそんな簡単に行かないので、そうはならないのですが、それぐらい採用力のほうが大事で、最大のマネジメントは採用であるということです。ですが、今回のケースではその採用力が「日曜診療」と「夜21:00まで診療」というダブルパンチによって、著しく下がってしまっていたことが根本的な問題だと思います。

しかも、最近、多いのが日曜診療+夜21:00まで診療しているけど、その利便性追求があまり患者さんに響かず、新患数が伸びないという問題です。こうなると、もはや利便性追求にはリスクだけしかない状況で、何のメリットもないということが起きています。

その根本的な問題については改善していくということなので、大事なことはこれからどうするかですから、これから、採用力を磨き、良いスタッフをいかに採用していくかに尽きると思います。

じゃあ、今のスタッフはどうしたら良いのか?ということについては、次回、解説します。

回答者プロフィール

岩渕 龍正
岩渕 龍正
歯科医院地域一番実践会 代表
歯科医院の移転、リニューアルの際の図面作成には絶対の自信を持つ。
現在は、年間医業収入1億円以上の医院が3億円を目指すための仕組みづくり、組織作りに力を入れている。
歯科界での突出した実績は歯科業界以外からも注目を浴びている。
近年は夫婦で医院経営も家庭も成功させる「夫婦経営成功」にも力を入れている。

現在、申込受付中のセミナー