フッ素算定の整理整頓①(令和6年6月改定版)

院内マーケティング

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皆さんこんにちは。

経営戦略研究所の前田です。

「フッ素」関連の算定に関しては、令和6年6月の診療報酬改定でも「エナメル質初期う蝕管理加算の廃止」などいくつかの変更がありました。

いろいろな先生方にお話を伺っていると、まだまだ整理ができていない先生も多いように思います。

充実した療養の給付を行っていても、実態に沿った算定ができていないと、少しもったいないかな?と感じてしまいます。

 

今回次回の2つのブログで「フッ素関連の算定について整理がまったくできていない!」先生方に向けて、基礎的なポイントをお伝えしてきたいと思います。

このブログをキッカケに赤本青本を開き、もれの無い、実態に即した算定を目指していただけますと嬉しいです。

今回は、「フッ化物歯面塗布処置(F局)」についてお話しをしていきます。

歯科治療の需要の将来予想

こちらは、中医協が提示している、「歯科治療の需要の将来予想」のイメージ図です。

今までは、形態の回復、つまり「削って、治す」というのが、歯科治療の大きな部分を占めていたのに対し、今後の歯科治療では、むし歯、歯周病などの管理・重症化予防、口腔機能の維持・回復、そして在宅・訪問診療の重要性が増していくことが示されています。

また、う蝕の重症化予防についは、フッ化物塗布、初期う蝕からの管理が重要とされており、令和6年度改定でもいくつかの変更点がありました。

フッ化物歯面塗布処置(F局)

今回のブログでは「フッ化物歯面塗布処置」についてみていきます。

算定されている先生方がとても多いと思いますが、すこしややこしいですよね?

F局については、

①う蝕多発傾向者【110点】

②初期の根面う蝕に罹患している患者【80点】

③エナメル質初期う蝕に罹患している患者【100点】

現在この3つの算定が認められています。

そのポイントを整理していきましょう。

算定期間について

F局の算定期間は、【主治の歯科医師又はその指示を受けた歯科衛生士がフッ化物歯面塗布処置を行った場合に月1回に限り算定する。ただし、2回日以降のフッ化物歯面塗布処置の算定は、前回実施月の翌月の初日から起算して2月を経過した日以降に行った場合に限り月1回に限り算定する。】とありますので、「基本的には」月1回、レセ2枚開けの算定が可能です。

ただし、③エナメル質初期う蝕に罹患している患者に関しては、【……2回日以降のフッ化物歯面塗布処置(エナメル質初期う蝕管理料の注2に規定する加算を算定する患者に対して実施する場合を除く。)の算定は、前回実施月の翌月の初日から起算して2月を経過した日以降に行った場合に限り月1回に限り算定する。】と記載があります。

つまり、口管強の施設において「③エナメル質初期う蝕に罹患している患者」に対するF局は、毎月算定が可能ということです。

各管理料について

令和6年6月改定では、②と③について各管理料が新設され、各管理料を算定した患者に対してF局を算定することになります。

②根面う蝕管理料【30点】:月1回、65歳以上の患者に限る

③エナメル質初期う蝕管理料【30点】月1回

また、口管強の施設においては、管理料に【48点】が加算されます。

つまり、②と③については、管理料+(加算)+F局を算定することになります。

対象病名について

予防のためのフッ素塗布は保険では認められていませんので、

それぞれの病名があれば、保険算定がみとめられるということになります。

①う蝕多発傾向者の場合は、病名:C管理中

②初期の根面う蝕に罹患している患者、病名:根C

③エナメル質初期う蝕に罹患している患者、病名:Ce

②に関しては、令和4年4月から外来でも算定可能になった項目ですので、まだまだ意識が低い先生も多くいらっしゃるのが現状かと思います。是非、しっかりと患者さんにあわせた治療をし、算定もれのないようにお願いします。

その他注意事項

③に関しては、【病変部位の口腔内カラー写真の撮影を行った場合に算定し、2回目以降は光学式う蝕検出装置を用いてエナメル質初期う蝕の部位の測定を行った場合は、口腔内カラー写真撮影に代えて差し支えない。】とあります。

初回は、写真が必要。2回目以降は写真かダイアグノデントの数値が必要ということになります。

次回予告

今回は、フッ化物歯面塗布処置についての簡単なポイントをお伝えしました。

ブログではお伝えしきれない細かな算定要件もありますので、必ずご確認の上、算定をお願いいたします。

次回は、エナメル質初期う蝕管理加算の廃止について、そして算定もれ防止のポイントについてお話ししていきたいと思います。

より安定した医院経営に向けて、充実した治療、もれのない算定を目指していきましょう!

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