2023年 歯科医院新人スタッフ育成塾 第1回 開催レポート
今年も、全国各地から両会場合わせて350以上の多くの歯科医院の新人スタッフが集まり、新人スタッフ育成塾が開催されました。
歯科業界で働くためには、まず歯科業界の現状を理解することが不可欠です。本セミナーでは、単に具体的な方法や手法を教えるだけでなく、歯科業界で働くための考え方を身につけることを目指しています。
参加者が座学に一方的に聞くだけでなく、ディスカッションや演習を通じて新人スタッフ同士が交流し、さらに動画を通して感じたことをグループワークでシェアする時間も設けられています。楽しみながら学ぶことで、学習が退屈に感じず、頭に知識が定着しやすくなります。
講座では、「なぜ働くのか」といった目的や、「歯科医院で働く上で大切な考え方」など、今後の働き方について重要な事項を徹底的に伝えています。
通常、企業で働く場合には「社会人研修」の形で就業規則や身だしなみなどの考え方を教える時間が設けられますが、歯科医院では診療業務が優先されるため、十分な研修時間を確保するのは困難です。
本セミナーでは、患者様や職場のスタッフとの人間関係構築や、モチベーションの作り方や保ち方、目標設定の方法など、具体的な指針をお伝えしています。これらは仕事においてだけでなく、個人の成長にも深く関わる学びです。
また、セミナーには毎回ゲスト講師も招かれます。ゲスト講師は、本セミナーを経て成長を遂げたスタッフであり、その成長過程や成功の秘訣を具体的にご紹介いただきます。同じ立場であったゲスト講師の経験談は、新人スタッフにとってとても影響力を受けます。
新人スタッフ育成塾は、全国の歯科医院で成果を上げているコンサルタントの知見と、実際の現場で働いているゲスト講師の実体験を結びつけることで、参加者の成長を促す貴重なセミナーです。
第一講座
第一講座のテーマは「歯科業界の現状」です。
歯科医院で働く多くのスタッフは、歯科業界の実態を知らないまま仕事に取り組んでいます。例えば、歯科医院の数がコンビニエンスストアを上回ることも9割以上の方が知りません。
ただ、知らないことは悪いことではありません。重要なのは、自身がどのような環境にいるのか、そしてどのような行動を取るべきかを知ることです。このセミナーでは業界が置かれている状況、ますます二極化が激しくなる業界でどのようにしたら医院も、自身も、成長し、豊かな人生を送れるのかを伝えています。
実際、成長するためにはノウハウがあります。このセミナーでは成長のためのノウハウもしっかりと体得してもらいたいと考えています。
院長先生は経営者、歯科医師、マネージャーという3つの役割を果たしています。その中で、新人スタッフに仕事観を正しく伝えることは非常に困難です。忙しい日々の中で数時間を新人スタッフの教育に充てることは難しいでしょう。
「努力の方向性」を示すことが重要です。
歯科業界では激しい競争が行われていますが、院長先生は最善の努力を尽くしていると感じます。新人スタッフにとって、自身がどのような点で貢献できるのか、そして具体的にどのような行動が求められるのかをお話ししています。
新人スタッフたちはまだ自分たちにできることが限られていると感じるかもしれませんが、実際には彼らの行動によって医院に大きな変化が生まれます。
「自ら変革を起こせる」という気づきを得ることが、歯科医院新人スタッフ育成塾の第一回目の目標です。このセミナーを通じて、新人スタッフたちは自身の可能性に気づき、歯科医院に対して大きな貢献を果たせる存在となることを期待しています。
第二講座
第二講座は、滋賀県にある、かがやき歯科クリニック 永芳さつきさんにご講演頂きました。
永芳さつきさんは専門学校卒業後、すぐにかがやき歯科クリニックに入社。今でこそ医院で大活躍されている永芳さんも最初は学生気分が抜けず、社会人に求められることとのギャップに苦しみ、仕事と向き合えず、ミスを繰り返してしまい、仕事を辞めたいとさえ思われたようです。
そんな状況だった永芳さんは院長先生からの言葉で自分を見つめ直すきっかけをもらい、それを契機に「自分自身と向き合う」という強い決意をし、行動し、みるみると物事が好転していったようです。
そのタイミングに新人育成塾にも参加し、仕事に対する「あり方」をさらに深め、加えてセミナーの宿題を通して行動をし、大きな成長へと繋げられたようです。
永芳さつきさんはその当時の出来事や、その時の感情を包み隠さずお話され、参加されたゲストの方々も食い入るように話を聞いているのが印象的でした。きっと、日々の仕事に活かしてくれることでしょう。
永芳さつきさん、貴重な講演をありがとうございました。
第三講座
第三講座では、「仕事観」についてお話しました。
「仕事観」という言葉をご存知でしょうか?
あまり聞き慣れない言葉かと思いますが、それは、自身が仕事に対してどのような視点や考え方を持っているかということです。
院長先生、患者様、スタッフといった異なる立場から仕事を考えると、その見方や意識は大きく異なってきます。
そして、自身が「なぜ働くのか」という目的が重要です。
お金や生活のために働くことは悪いことではありません。
ただ、単にそれだけのために働くことは得られるものが極端に減ってしまいます。
正しい仕事観、なぜ働くかの目的を持てれば、
自己成長、やりがい、他者との良好な人間関係、プライベートでの幸せ、様々なものを得ることができます。
成功する人材は必ずしも最初から優れた能力を持っているわけではありません。彼らは自身がどのように働くべきか、どのような人になりたいのかを明確に考え、行動し、少しずつ成功する習慣を身につけていくのです。
もう一つ、社会人として成長するためには、周りのことを見る力が必要です。
特に、院長先生がどのような思いで働いているのかを理解できる人材は、大きな成長を遂げることができます。自分本意の視点だけでなく、立場の違う院長や先輩スタッフの視点、相手がどのようなことを求めているのか、その内容についても触れ、周りへの理解も深めてもらうような内容もお話しました。
自身の成長、医院全体の成長、そして患者様のことを念頭に置きながら仕事に取り組むことが、新人スタッフに求められます。
このような重要なことは、学校で学ぶことはできません。
先輩スタッフや院長先生も日々の診療に忙殺されており、時間を確保して教えることは難しいでしょう。
そのために、この「新人スタッフ育成塾」があります。
任意ですが、宿題があります。この宿題を通して成長する新人スタッフもとても多いです。このような実践の有無によって、成長の度合いは大きく変わってきます。ぜひ、講座でお伝えしたことを宿題通して行動し、大きく成長する一年になることを楽しみにしています。